フランスカラーバー

Vol.21 --- ホテル「ル・ムーリス」のリンゴスイーツ

フランスでは、リンゴは、お菓子の世界でもっとも利用されている果物です。

シンプルなリンゴタルト、リンゴが下で生地が上になったタルト・タタン。リンゴのコンポートをパイ生地で閉じ込めたショソン・オ・ポムなどは、パン屋さんやお菓子屋さんの定番アイテムです。

レストランでもリンゴを使ったお菓子は人気ですが、今、パリでもっとも注目されている若手実力派のパティシエが、とても美しく独創的なリンゴのお菓子を作っていて大きな注目を集めています。

パリを代表する老舗名門ホテル、「ル・ムーリス」。このラグジュアリーホテルのシェフ・パティシエ、セドリック・グロレは、様々な果物の形を精巧に模したお菓子作りが得意。モモ、サクランボ、レモン、イチジク、アンズなどに加えて、リンゴも、赤リンゴと青リンゴが、このフルーツコレクションにラインナップされています。

デザイン界の巨匠、フィリップ・スタルクが手がけた空間で、とびきりのティータイムを楽める。
ル・ムーリス https://www.dorchestercollection.com/fr/paris/le-meurice/

極薄のホワイトチョコレートで形づくられた、赤と緑のつやつやグラサージュを施された可愛らしいリンゴ。ナイフをそっと当てると、薄いチョコレートの殻がパリンと割れ、中から、クリームやリンゴ果肉が流れ出てきます。

赤リンゴの中身は、“ロワイヤル・ガラ”リンゴの果肉をレモンとバラの香りを付けてコンポートにしたものと、このリンゴの果汁とバラの香りで味をつけた、ホワイトチョコレートと生クリームのガナッシュ。緑リンゴの中身は、“グラニー・スミス”リンゴの果肉にディルの香りを付けたコンポートと、同じリンゴの果汁を加えたホワイトチョコレートと生クリームのガナッシュです。

どちらのコンポートもごく軽い加熱で、果肉のフレッシュ感を残していて、香り高く食感も楽しめる、とてもチャーミングなお菓子です。

ホワイトチョコレートの殻に、艶やかなグラサージュを施した、とても美しいリンゴのお菓子。

このリンゴをタルトに仕立てたお菓子もあり、可愛らしい形でこちらも人気です。

さらに、極薄にスライスした赤リンゴを花びらのようにデザインしたリンゴタルトも秀逸。タルト生地の中は、アーモンドクリームと青リンゴのコンポート。上部全体を赤リンゴのスライスで美しく飾り、溶かしバターを塗ってさっと表面をオーブンで焼いたものです。

高級ホテルのティータイムに提供されるにふさわしい、リンゴの愛らしい形や美しい色の魅力を見事に表現した、オート・クチュール的なリンゴのお菓子たちです。

リンゴのフォルムをタルトと融合させた作品。
細やかな作業が施された個性的なリンゴのタルト。

(2017/12/22)

著者紹介

加納さん写真

加納 雪乃(Kano Yukino)

神奈川県出身 パリ在住。
専門はフランスの食文化、バレエ。

サラリーマン時代に、95~97年、パリ事務所の駐在員として初めてフランスに滞在。
フランスの食文化の魅力に感動し、その魅力を広く伝えたいと思うようになり、帰国後しばらくしてから退社。
改めて自分で渡仏し、2000年からライターとして活躍している。

著書:「パリオペラ座バレエと街歩き」「パリ スウィーツの話」(ともに集英社 be文庫にて発売中)

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