りんご農家を支える鍛冶職人

投稿者: | 2018年2月20日

りんご栽培には様々な道具を使用します。よく目にするのがはしごや手籠、りんご箱などですが、いつも農家さんが腰に携えているのが『剪定鋏』(せんていばさみ)です。剪定時に枝を切るためのハサミですが、夏でも徒長枝(バヤ)を切ったりするため、いつも腰に携えさっと取り出しては使用しています。
  

今回りんご大学では「三國打刃物店」さんにお邪魔して、剪定鋏を制作している現場を見学させていただきました。

 

三國打刃物店は創業120年で、現在は5代目となる三國徹さんが制作をしていらっしゃいます。

原料の鋼から剪定鋏ができるまで、最初の鍛造だけを機械で行っており、あとは全て手作業で行っている職人技です。

 

 

 

①原料の鋼
②ここまでを機械で鍛造
③~⑦熱し叩くを繰り返しハサミの形になっていく

 

 

 

鋼を高温の火の中に入れ柔らかくなったところへ、ハンマーで叩いて強度を高めるとともに、徐々にハサミの形状を作っていきます。時々かね尺で測っている様子もありますが、長年の経験からか迷いもなく一心不乱に叩いている様はまさに職人と言えるでしょう。

 

一見、軽々しくハンマーを振り上げているようですが、金属のハンマーはとても重く、しかも硬い鋼を叩いているので腕力も相当なものではないかと思います。

この剪定鋏、実によく切れ硬い枝もスパッと切れるのですが、何度も切っているうちに刃こぼれやゆるみが生じて切れ味が悪くなります。そういうハサミを修理するのも三國さんのお仕事で、りんごの収穫が終わる12月頃から修理の依頼が殺到し、2月頃までは修理だけで精いっぱいとの事。修理が一段落するとまた制作をはじめ、販売しているそうです。

 

りんご栽培においてなくてはならない『剪定鋏』。
業種は違いますが、三國さんのような鍛冶職人もまたりんご産業を支えているのですね。

 

三國打刃物店への道のりはこちら
青森県弘前市茂森町170-3 TEL:0172-33-2202

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