りんごの新しい栽培方法 ~高密植栽培~「高密植栽培Ⅰ編(A園地)」

投稿者: | 2018年6月7日

りんごの高密植栽培という栽培方法はご存知でしょうか。

超コンパクトな樹で収益性、効率化を求める栽培方法で、世界的に主流となってきており、日本国内でも徐々に広まってきています。

作っているのは同じりんごですが、普通(丸葉)栽培の園地と見た目の違いが一目瞭然で、作業効率も格段に違う、新しい栽培方法です。

写真を見てわかるように樹と樹の間隔が狭く、樹も細い印象があります。面積10aあたり300本以上の定植が可能で、普通(丸葉)栽培より10~20倍、わい化栽培より2~3倍以上もの本数で、生産量の増加が見込めます。
また、作業も効率化することができ、日当たりも良いので着色管理も容易となります。

※各栽培方法(普通・わい化・高密植)について詳しくは、「学ぶ」ページのりんご栽培(知識)をご覧ください。⇒ りんご栽培(知識)のページは、こちら

 

 

お邪魔したのは青森市浪岡にある田中一幸さんの園地です。青森県内ではまだ高密植栽培の園地は少なく、田中さんもいろいろと試しながら高密植栽培に取り組んでいらっしゃいます。

 

 

 

現在、りんごの農作業としては摘果作業が行われております。作業にははしごが必要ですが、普通・わい化栽培の園地では入り組んだ枝と枝の間にはしごをかけ、移動の際も枝をよけながらとなるため、動線が複雑となります。

一方高密植栽培園地では、一直線に並んだ樹を横に移動するだけなので、だいぶ効率よく作業ができます。

また、普通・わい化栽培に比べ高密植栽培では下枝の数が多く、はしごを掛けなくても作業ができる部分が多いのも特徴です。そのため、高齢者や体力的にはしごにのぼって作業するのが難しい方、すでに引退された方でも再び作業することができ、まだまだ活躍することができるのです。

 

 

写真のように、コンテナに腰掛けて作業できる部分もあり、移動も楽々。普通・わい化栽培では見かけることがない作業風景です。

 

 

 

田中さんがおっしゃるには、高密植栽培は全ての作業をマニュアル化することができ、新規就農者でも取り組みやすく、また作業効率も良くどんな方でも働きやすい環境のため、高齢者でも作業がしやすい利点があるとの事です。

 

多くの苗木とトレリス(樹を支える支柱)が必要で、初期費用がかかるなどのデメリットもありますが、青森県ではまだなじみのない栽培方法ですので、今後も田中さんにご協力いただき、普通・わい化栽培と高密植栽培の作業の違いなどをご紹介していきたいと思います。

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