vol.15 青森とポーランドのクロスロード

今、ドバイからワルシャワに向かう飛行機の中でこの原稿を書いています・・・・と書き出して7割ほど原稿を書いたのですが、中断。そしてまた「ワルシャワからドバイに向かう飛行機の中でこの原稿を書いています・・・・」と書き改めようとして断念。結局、青森市内のカフェの中で残りを書いています。遅くなってごめんなさい。わたくし、4月の19日から2週間のポーランド取材旅行に行って参りました。

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vol.14 楽器になったリンゴやあれこれ

リンゴをかじる音って気持ち良くないですか。ものを食べている音というのはしばしば「下品だ」として避けられがちなトピックです。かつて大女優の高峰秀子は「飯食いシーンに私は出ない」と公言していました。実際は、よく出演していた成瀬巳喜男の作品などで彼女の食事シーンがいくつかありますが。食べる音というと伊丹十三監督のグルメ映画『タンポポ』の食事のマナー教室のシーンなんかも思い出されますね。

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vol.13 ジャケ買いとリンゴの話

音楽ファンの楽しみ方は、多岐にわたります。私みたいな音楽ライターや業界関係者の人たちの間でよく話題になるのは「10代~20代の若者には、CDを一枚も持っていないのに音楽をよく聴いている人がけっこういる」ということです。これは言い方を変えれば「CDが売れない、困ったな」というネガティヴな泣き言でもあるのですが、まあそういう社会の中で「ではどうすればいいのか」を考えることが私たちの役割だし、それを果たすことでまた音楽の可能性もさらに前に進むところもあると思います。

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vol.12 Some Kinds of Touch

シャキッ、カリッ、ザクッ。リンゴをかじると、品種によって触感(食感)がまるで違うのに驚きます。私はどちらかと言うとカチカチに硬い品種が好きなのですが、逆に粉っぽい柔らかいリンゴが大好きな人もいます。その好みが人ざまざまなことにも驚きます。リンゴの好みを左右する要素には、味、香りが二大要素に挙げられると思いますが、触感も隠れたファクターなのではないでしょうか。少なくとも、私はそんなに好きじゃない触感の品種だと味をあまり感じなくなってしまいます。私にとっては、リンゴで一番大事なものは触感なんでしょうね。硬い食感の品種はふじ(サンふじ)やシナノゴールド。柔らかいものは王林や金星などが代表的な品種だそうです。もっとガリガリと硬いものだと、酸っぱい味で有名な紅玉があるとのこと。。

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vol.11 リンゴの季節に、リンゴの歌を

いよいよリンゴの収穫が本格的にはじまり、市場にもリンゴ箱の壁(と言うかビル状の集合体)がいくつもできています。次々と運び込まれては売れていき、この青森県から全国に運ばれていく。青森県は日本国内のリンゴ生産高の約6割近くを占めています。なのでみなさんが食べるリンゴが本県産である確率はかなり高いでしょう。遠くのどこかで、誰かがリンゴを手に取る時、そこにはリンゴを通じた青森県との「つながり」が生まれているのです。アップル・コネクションとでも呼ぶべきでしょうか。

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vol.10 摘果とボツ・テイク

音楽を楽しむという行いは、メディアと技術の進化によってそのかたちがどんどん変わってきています。はるか昔は「録音する」ことができませんでしたから、当然「音楽を聴くイコール生演奏に接する」でした。そして個人的に一番大きな変化だったなと思っているのがレコードからCDへの変化です。それは、だいたい80年代の半ばくらいに起こりました。年齢的に、ちょうど思春期に入る辺りにその変化を目の当たりにしましたから、その意味でも思い入れが深いのかも知れません。

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vol.9 「名手と名器」~選ばれた味と音

先日歌舞伎俳優の中村七之助がナビゲーターを務めるBS-TBSの旅行番組「美しい日本に出会う旅」を見ていたら、北海道新幹線開通記念で青森県の津軽地方と函館を特集していました。最初に出てきたのが弘前のリンゴ農家さんで、リンゴにまんべんなく日光が当たるように木の枝をカットするためのリンゴ剪定鋏を「サラリーマンのネクタイと同じように、いつも身につけているもの」と例えていました。

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vol.8 ジガジサン&ランキング

つい先日アメリカのビルボード・チャートで日本の音楽がランクインして話題になった例が2つありました。ひとつは、アイドル・カルチャーとへヴィ・メタルの異例の融合ユニットとして今や世界中でたくさんの観客にヘッドバンギングさせているBABYMETALの新作『Metal Resistance』が、日本のアーティストのアルバムとしては数十年ぶりに40位以内に入ったこと。もうひとつは、ジャズ・ピアニストの上原ひろみの新作『Spark』がジャズ・チャートで1位に輝いたことです。特にベビメタは、音楽界の代表的な著名人であるピーター・バラカンさんが「まがい物」とコメントしたことで、さらに話題を呼びましたね。

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vol.7 ご当地風に楽しみましょう

先日仕事で上京した際、JR中央線沿線に宿泊したのでせっかくだからということで、フリーの日に電車を乗り継いで河口湖に足を延ばしてみました。大月駅から目的地の河口湖駅に向かうべく富士急行に乗り換えたら、外国人旅行者がとてもたくさん乗っていて、ふと斜め前の座席を見ると、中南米辺りから来たらしきカップルの男性の方が赤いリンゴを手に持ってガブガブかじって食べていたんですね。外国のドラマなんかでもよく見かける光景なのですが、欧米の人ってまるでスナック菓子みたいな感覚で家でも外でも手でつかんだまま皮ごと食べちゃうんですよ。そう言えば、どこかヨーロッパ辺りの架空の国を舞台にした宮崎駿の傑作アニメ映画『天空の城ラピュタ』でも、洞窟に逃げ込んだ主人公の少年少女ふたりが、カバンからリンゴを取り出して食べるシーンがありました。

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vol.6 バレンタインのリンゴ

私の両親は放牧的教育方針で、そこそこ成長するまで人生の道を好きに歩けたのですが、群れを離れる(=人の道に背いたことをする)ときつい鞭が飛んでくるという感じでした。まさに放牧です。そんな環境で育ったので、必然的に「どうせなら何か面白い体験がしたい」というふらふらした性格になります。大学進学の際も「どうせひとり暮らしするなら、ここ(大阪)とはまったく環境が違うところに住みたい」という気持ちだけで弘前の大学を選びました。4月なのに粉雪がぱらついたり、道ゆくオシャレな女性が見かけとのギャップも激しく話すバリバリの津軽弁の意味がわからなかったり、一晩明けると窓の外が一面の銀世界になっていたり。弘前では、実家のある大阪にい続けていたら絶対に体験できなかっただろうことがたくさんありました。そんな中でもとりわけ温かい思い出として記憶に大切にしまっているものがあります。

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vol.5 味以外で魅惑するリンゴたち

基本的に、人間は「ハマる」動物です。文化の中にトレンドとか流行がある動物ってきっとヒトだけでしょう。その理由のひとつは、ほかの動物にはメディアがないことだと思います。もしあなたが本気で動物的な暮らしをしたいと思ったら、まずは一切のメディアから自分を遮断することからはじめるでしょう。ラジオ、テレビ、CDプレイヤー、インターネットに新聞、書籍。これらを身の回りからなくすと、かなり人間らしい生活から遠ざかれると思いませんか。

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vol.4 リンゴのカクテルには、アレンジの隠し味

渋谷にbar bossaという有名なバーがあります。ボサノヴァ紹介本や『バーのマスターはなぜネクタイをしているのか?』(通称「バーネク」)というヒット本の著者でもある林伸次さんがオーナー&マスターです。良い音楽と良い雰囲気、林さんのつかず離れずのほど良い距離感の接客。すべてが心地良いお店で、用事で東京に行く時はできるだけ時間を作ってうかがうようにしています。

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vol.3 リンゴをかじって、中央アジアへ

みなさんは「リンゴ」という言葉や実物を目にした時、何を思い浮かべますか。おそらくほとんどの人が、だだっ広いリンゴ畑が広がる青森県や長野県の景色を頭の中に想い描くのではないかと思います。日本人にとっては、その両県とリンゴの濃い関係は半ば常識で、逆に青森や長野という県名を聞いた時にリンゴのことを考える人も多いでしょうね。実際にはリンゴにはたくさんの品種があり、両県以外でも栽培されている美味しいリンゴもあります。今度リンゴを買う時は、品種名だけでなく産地をチェックしながら、文字通り一味違う土地で作ったものを試してみるのも面白いかも知れません。

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vol.2 ミクスチャーでもっと美味しく!

ひところ、日本人と外国人の両親の間に生まれた子どもを「ハーフ」と呼ぶのが良いか「ミックス」と呼ぶのが良いかということが話題になったことがあります。これについての答えは全然出ていなくて、そのお子さんたち本人の間でもどう呼ばれたいのか意見が分かれています。昔に日本で使われていたはずの「混血」という言葉からハーフに移る時も、けっこうディスカッションの的になったと思います。でもこちらは答えが出たようですね。「混血」の中にある「混ぜる」「混じる」というニュアンスがネガティヴに響いたのか、ハーフという呼び方が一般的になって今があるわけです。単純にカタカナ語がカッコいいという理由もあったかも知れません。

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vol.1 黄色いリンゴにギャップ萌え

食べ物に限らず「見た目」ってとても大切です。『人は見た目が9割』という本もベストセラーになりましたよね。おいしそうな見た目をした食べ物が、本当においしい。優しそうな顔立ちをした人が、本当に優しかった。見ただけでその価値がわかるということは、世の中に安心感を与えます。でも、今の日本には正反対の「ギャップ萌え」という価値観も広まってきていますね。見た目と正反対の性質があると、かえって魅力を感じるという考え方です。

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