会津宏樹の
りんご高密植栽培日記

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青森県板柳町でりんご栽培をしている37歳。
就農14年目の2021年に、初めて高密植栽培に挑戦!
今までとは勝手が違う栽培方法だから、感想や取り組みについて綴ります。

収納
2024.6.20

高密植栽培も3年目を終えました。
3年目を終えて、、、
まぁ鳥の食害の多かったこと。。。
これは高密植だからではありませんが。
5aで32箱収穫できましたが、
うち6箱は鳥害を含めると加工等級でした。
植えて3年目で32箱の収穫は、
とても多いように思えますが、
高密植栽培だと少ない方だと思います。
2022年にあった大雨の影響で、
木が衰弱したことが収穫量減少の原因でしょうか。

高密植栽培を同時期に始めた仲間たちのデータを見て
一番驚いたことは、、、
りんごの硬度だ。
高密植栽培のりんごは柔らかくなりやすいと思われている。
自分もそう思っていました。
高密植栽培のりんごは長期保存に向かないから
青森での栽培は向かないと。
しかし測ってみると、変わらないどころか、
全体平均を見ると硬いようです。
ちなみに2023年度産では、
蜜入りと糖度は丸葉やワイ化栽培の方が良かったようです。
もちろん個体差はあるので、
一概にどちらの方が良いとか悪いとかの判断はできません。
年によって逆になることもあるでしょうし、
年数が経つと変わるかもしれません。
いろんなデータを見て、検証していくことが大切です。

高密植栽培は作業時間や収穫量などもデータが取りやすい。
体感では丸葉とワイ化栽培と比べて楽ではあります。
特にほとんどの作業が素人でもできることが大きいです。
数年携わって剪定も覚えている農家であれば、
より楽に感じると思います。
それだけ求められる技術レベルは低いです。

でもこの『体感』 『感覚』というものが
今までの農業の弱点というか
発展を遅らせていた一つの要因だと思います。
自分が前に所属していた4Hクラブという組織で
プロジェクト発表という農業者自身が課題を解決して
発表する大会があるのですが、
全国大会レベルになると必ず数値化されて、
売上アップや労働時間の減少などは当たりまえ。
普及性があるかどうかも審査基準で、
素晴らしい発表には農林水産大臣賞が授与されます。
そんな組織におったもので、
データ化数値化というものはとても重要に思えます。

やる前にこれ知ってたら!!
ってことが社会に出てから知ることが
多くあると思います。
親や学校では全て教わりません。
小学生に対しての職業紹介の時に、
どれだけの子供に響いたかはわかりませんが、
『 「調べる力」が大事だ』
ということを最後に伝えました。
感覚で仕事をすることも良いのですが、
言語と数字はとっても大切だと思います。
まだまだ感覚で仕事をしていることが多いですけどね。。。

PROFILE
会津宏樹のプロフィール

板柳町のりんご農家(アルファーム)。

22歳の時に祖父の跡を継いで70aのりんご畑からスタートし、現在2.4ha。

全国農業青年クラブ連絡協議会(4Hクラブ)63代目会長、
農水省の働き方改革委員や西北五地域活性化委員も務める。

4Hクラブの研修で長野県に行った時に、高密植栽培を見て興味を持つ。

現在農業に興味のある県外の大学生のファームステイを受け入れており、
りんごの現場を体験させたり、青森を知ってもらう活動をしている。

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