りんご高密植栽培日記
収穫
2023.4.10
![](/play/diary/img/column06/diary_column06a.jpg)
11月2日
待ちに待った収穫である。
嘘です、え?もう収穫できるの!?
が本音です。
![](/play/diary/img/column06/diary_column06b.jpg)
植えて次の年、たった二年目で収穫。
普通の丸葉栽培だと五年ほど掛かるのに
高密植栽培は植えて次の年…。
恐るべし。
うちでは水はけが悪く、りんごの樹が弱ってしまったので
8月で一度全摘果をした樹もあり、
収量は平均よりも少なかったと思います。
5aで10箱でした。
![](/play/diary/img/column06/diary_column06c.jpg)
しかし、丸葉栽培で5aから
10箱収穫するには何年掛かるでしょうか。
それを考えると、とても魅力的な栽培方法だと思います。
試験栽培でサンプルを取ったところ、
蜜入りも糖度も申し分ない結果でした。
![](/play/diary/img/column06/diary_column06d.jpg)
それ以上に魅力的だったのが上実率です。
特選クラスがゴロゴロ収穫出来ました。
実り始めで枝が混んでいなかったのもあるし、
強風もなかったことも幸いしていると思いますが、
キズは少なく、大玉の割には
ツル割れが少ないように感じました。
まだ実り始めではありますが、
今年はこのような結果でした。
![](/play/diary/img/column06/diary_column06e.jpg)
うちには古いふじがほとんどで、
上実、二番手、青実と、
色だけでも三種類も分けないといけなくて、
選果に時間が掛かってしまいます。
多分そんな同じような農家がゴロゴロいることでしょう。
![](/play/diary/img/column06/diary_column06f.jpg)
就農して、15年。
まず就農した時にやっておけば良かったと思ったことが、
ふじを着色系のふじに変えていくことです。
接ぎ木箇所が多ければ6年も経つと、
接ぎ木した品種に変えることが出来ます。
もしも6年以上改植の予定が無ければ、
接ぎ木した方が良いと私は思います。
![](/play/diary/img/column06/diary_column06g.jpg)
有名な農家さんのところの収穫を見に行った時に、
青実が全くないのに驚きました。
それだけで市場での価格は変わりますよね?
ちょうど今の時期に出来ることです。
穂木をとって、冷蔵庫で保管して、
GW前にでも接ぎ木をしましょう!
私は4年掛けて1haのふじの園地の全てに接ぎ木をしました。
もっと早くやっていればと後悔しています。
![](/play/diary/img/column06/diary_column06h.jpg)
それとは別に、昔のふじでも着色させられる技術も
私は大事だと思っています。
着色系のふじだと、自分の剪定が正しいのかどうか、
正直わからなくなると思います。
やっぱり生産してみて、美味しいりんごであって欲しいですよね。
高密植栽培にするには資金が必要ですが、
接ぎ木は今すぐ出来ることです。
上実率をあげるために、
改善できることをコツコツしていきましょう。
PROFILE
会津宏樹のプロフィール
板柳町のりんご農家(アルファーム)。
22歳の時に祖父の跡を継いで70aのりんご畑からスタートし、現在2.4ha。
全国農業青年クラブ連絡協議会(4Hクラブ)63代目会長、
農水省の働き方改革委員や西北五地域活性化委員も務める。
4Hクラブの研修で長野県に行った時に、高密植栽培を見て興味を持つ。
現在農業に興味のある県外の大学生のファームステイを受け入れており、
りんごの現場を体験させたり、青森を知ってもらう活動をしている。