会津宏樹の
りんご高密植栽培日記

収穫
2023.4.10

11月2日
待ちに待った収穫である。
嘘です、え?もう収穫できるの!?
が本音です。

植えて次の年、たった二年目で収穫。
普通の丸葉栽培だと五年ほど掛かるのに
高密植栽培は植えて次の年…。
恐るべし。
うちでは水はけが悪く、りんごの樹が弱ってしまったので
8月で一度全摘果をした樹もあり、
収量は平均よりも少なかったと思います。
5aで10箱でした。

しかし、丸葉栽培で5aから
10箱収穫するには何年掛かるでしょうか。
それを考えると、とても魅力的な栽培方法だと思います。
試験栽培でサンプルを取ったところ、
蜜入りも糖度も申し分ない結果でした。

それ以上に魅力的だったのが上実率です。
特選クラスがゴロゴロ収穫出来ました。
実り始めで枝が混んでいなかったのもあるし、
強風もなかったことも幸いしていると思いますが、
キズは少なく、大玉の割には
ツル割れが少ないように感じました。
まだ実り始めではありますが、
今年はこのような結果でした。

うちには古いふじがほとんどで、
上実、二番手、青実と、
色だけでも三種類も分けないといけなくて、
選果に時間が掛かってしまいます。
多分そんな同じような農家がゴロゴロいることでしょう。

就農して、15年。
まず就農した時にやっておけば良かったと思ったことが、
ふじを着色系のふじに変えていくことです。
接ぎ木箇所が多ければ6年も経つと、
接ぎ木した品種に変えることが出来ます。
もしも6年以上改植の予定が無ければ、
接ぎ木した方が良いと私は思います。

有名な農家さんのところの収穫を見に行った時に、
青実が全くないのに驚きました。
それだけで市場での価格は変わりますよね?
ちょうど今の時期に出来ることです。
穂木をとって、冷蔵庫で保管して、
GW前にでも接ぎ木をしましょう!
私は4年掛けて1haのふじの園地の全てに接ぎ木をしました。
もっと早くやっていればと後悔しています。

それとは別に、昔のふじでも着色させられる技術も
私は大事だと思っています。
着色系のふじだと、自分の剪定が正しいのかどうか、
正直わからなくなると思います。
やっぱり生産してみて、美味しいりんごであって欲しいですよね。
高密植栽培にするには資金が必要ですが、
接ぎ木は今すぐ出来ることです。
上実率をあげるために、
改善できることをコツコツしていきましょう。

PROFILE
会津宏樹のプロフィール

板柳町のりんご農家(アルファーム)。

22歳の時に祖父の跡を継いで70aのりんご畑からスタートし、現在2.4ha。

全国農業青年クラブ連絡協議会(4Hクラブ)63代目会長、
農水省の働き方改革委員や西北五地域活性化委員も務める。

4Hクラブの研修で長野県に行った時に、高密植栽培を見て興味を持つ。

現在農業に興味のある県外の大学生のファームステイを受け入れており、
りんごの現場を体験させたり、青森を知ってもらう活動をしている。

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