「青森りんご」の高品質の秘密

「青森りんご」の品質は、世界一と言われています。
りんごの色、形、美味しさにおいて、世界の国々のりんごと比べた時、まさに芸術の域に達する位、
りんごの質そのものに大きな違いがある事に気がつくと思います。
世界に類を見ない甘く瑞々しい美しいりんご、「青森りんご」の秘密をご紹介致します。

「青森りんご」を作る人々

「青森りんご」の生産の中心地である津軽地方は本州最北端に位置し、冬は豪雪地帯となり必ずしも農業生産に向いた土地ではありませんでした。
最近では数々の農産物で品種改良が進んだためその生産において大きな進歩がありますが、昔は冷涼な気候により度々冷害に見舞われ、特に米作において不作が続き、農家は度々窮地に追い込まれました。そのような状況の中、津軽の冷涼な気候に適するりんご栽培が明治以降急速に広まり、現在では日本国内のりんご生産の約56%を占める産業に成長しました。
「青森りんご」がこの様に大きくなった理由のひとつに、津軽地方独特の生産者の気質とこだわりがあります。真面目で負けず嫌いの頑固な性格は、津軽弁で「じょっぱり」という津軽の方言そのものです。そんな津軽人の気質が、より美しいりんご、より美味しいりんごを作る大きな原動力になりました。りんご一個一個を丁寧に扱い、愛情を惜しみなく注ぎ、まるで芸術品の様な美しいりんごを作る事に成功したのです。

気候及び栽培条件

津軽地方の冬は厳しく、一年の四分の一を雪で覆われます。日本海から吹き込む季節風は岩木山で遮られ、「岩木山」の噴火により形成された火山灰土壌により、ミネラル豊富なりんごに育て上げます。また、世界遺産「白神山地」から流れる「岩木川」及び適時に降り注ぐ雨の恵みによって、瑞々しいりんごが誕生しました。一見厳しい気候条件の中、春夏秋冬の区別がはっきりしていること、また昼夜の温度差が非常に大きいという特徴を持つ青森県津軽地方の気候は、冷涼な気候を好むりんごの栽培に適しています(寒くないと綺麗に色がつかない)。

“までいな(丁寧な)”栽培技術

「青森りんご」の品質が優れているのは、りんご生産者が「までいに」りんごを作るためです。「までいに」というのは、津軽の方言で「とても丁寧に」という意味の、一種の褒め言葉になります。
一方、津軽のりんご生産者の間では、「りんご一個を作るには春から秋の収穫までの間一つのりんごに十たび触る」という言い方があります。一本のりんごの樹には沢山のりんごがなりますが、そのりんご1つ1つを手塩にかけて育てる事で、高品質のりんごが誕生するのです。

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剪定(1~3月)

青森のりんご生産の中で、「剪定」技術は特に世界のそれと大きく異なっています。剪定はりんごを栽培する上で最も重要な技術で、「剪定でりんご作りの7割が決まる」と言う位重要な過程です。りんごの樹は人間と同様に個性が有り、それを見抜き生かしながら将来どのような樹形に仕立てるかを見据えて、樹の内側まで日光が届くように一本一本丁寧に枝を切り落として時間をかけて枝の配置を整えます。「一人前になるには千本の樹を切らなければならない」と言われ、諸外国とは全く異なる剪定の技術が実践されています。名勝地弘前公園の桜は一つの枝に咲く花の数が一般的な桜よりも多くボリュームがあり日本一美しい桜と讃えられますが、それは同じバラ科であるりんごの剪定技術が応用されているからです。

摘花・授粉(5月)

「摘花」は、つぼみや花の時期に「中心花」と呼ばれる真ん中の大きな花のみを残して周りの花を摘み取る作業で、早い時期に摘み取るほど樹の貯蔵養分の消耗が少なく、りんごの品質向上につながります。「授粉」は人の手で1つ1つの花に花粉をつけて確実に結実させる作業です。現在はマメコバチによる受粉が主ですが、従来の人工授粉も健在で、安定した収量を確保するのに欠かせません。

摘果(6~7月)

りんごは1つの株から5~6つの花が咲いて幼果ができますが、それぞれが樹の貯蔵養分を取り合うため全ての幼果が大きくなることはできません。そこで、真ん中の大きな「中心果」を残して周りの幼果を摘み取る「一つ成り摘果」の作業を行います。さらに一つ成り摘果後も、3~5頂芽にりんご1個の割合でつるが太くて長く果形が良好な果実を選んで残し他の果実を取り除いてしまうのが「仕上げ摘果」で、最終的に仕上げ摘果で選ばれたりんごだけが大きく育てられていきます。

袋かけ(6~7月)

「袋かけ」は、病気や害虫からりんごを守り着色や貯蔵性をよくするために摘果後のりんごに一つずつ袋をかける作業で、これを「有袋栽培」といいます。有袋栽培されている品種は、「ふじ」や「ジョナゴールド」「むつ」「金星」などがあります。

除袋(袋はぎ)(9~10月)

「除袋」はりんごにかけた袋をはがす作業で、果実に光を当て綺麗に着色させます。除袋は作業のタイミングが重要で、気温や日射量によっては果実が焼けて商品の価値が無くなってしまう場合もあり、特に神経を使う作業で経験が必要です。

支柱入れ(9~10月)

「支柱入れ」は、りんごが大きくなり枝が重さに耐えられなくなって折れてしまわないように、支柱を入れて枝を支える作業です。青森県内でりんご生産量が一番多い弘前市は北緯40度36分に位置しており、夏と秋では太陽光が降り注ぐ角度が変わります。このため太陽光の角度変化に合わせるように、支柱で支える枝を絶妙に動かして日光の当たり具合を調整しています。

葉摘み(8~10月)

「葉摘み」は、りんごの実全体に日光を当てて色がムラなくきれいにつくようにするために、光を遮る葉を摘み取る作業です。りんごの色づきや糖度にも影響があり、葉を取りすぎると光合成が少なくなり栄養分が果実に行きわたらなくなるので、葉摘みの程度を加減することが大切です。一般に、1個のりんごを育てるためには50~60枚の葉の養分が必要だと言われています。

反射シート敷き(8~10月)

「反射シート敷き」は、日光を反射させるシートを地面に敷いてりんごの下面にも光を当て、りんご全体に色をムラなくつけるようにする作業です。また、反射シートを敷くと地面の温度が下がるため、いよいよ秋が訪れ収穫が近づいている事をりんごの樹に教え、着色を促進する効果もあります。

玉まわし(9~11月)

りんご栽培で最後の総仕上げの作業になるのが「玉まわし」です。りんごは日光が当たった部分だけ赤くなるので、果実を優しくまわして枝や葉に触れて影になっている面にも日光を当て、果実全体に色がつくようにします。これまで成長させてきたりんごを最高の状態に仕上げるためのこの丁寧な作業が、高品質な「青森りんご」を作り上げているのです。

収穫(9~11月)

全てのりんごを一度に収穫してしまえば労力も時間も省約できます。しかし「つがる」や「きおう」など、品種によっては同じ木の中でもどうしても色つきや熟期が揃わないものがあります。その場合には、色つきが良く食べ頃なりんごだけを数回に分けて収穫します。これは「すぐりもぎ」と言われ、より美味しいりんごを消費者に届けたいという思いが込められています。また主力品種「ふじ」は、11月の寒さが厳しく指先が凍える中で収穫されますが、この寒さが完熟の証であるりんごの「蜜入り」にもつながっているのです。

りんご商人によるCA冷蔵と光センサー選果機の導入及び多様な流通チャンネル

今から50年程前の昭和36年、りんごの長期冷蔵技術に大きな躍進をもたらす事となるCA冷蔵技術の開発が、関係者の誠意努力によって成功しました。このCA冷蔵にいち早く注目して導入したのが「りんご商人」の方々です。彼らは秋に収穫されたりんごを大きなCA冷蔵庫に保管し、翌年8月のお盆過ぎまでの長期間に渡り日本全国の市場や量販店に安定価格で販売しています。これにより、りんごの価格を一層安定させる事が可能となりました。また、りんご生産者にとっても安心してりんごを生産できる環境が整うことになり、その結果津軽地方でのりんご生産の充実に大きくつながりました。
また選果機は、りんごの色や大きさ等の外見だけを選別するだけではなく、光センサーの技術により糖度や果実内の状態も見極めて確実な選果をし、高品質のりんごを流通させるための重要な役割を担っています。近年では台湾を始めとする海外への輸出が急速に拡大しており、「青森りんご」の発展に大きく寄与しております。

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