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第91号 モンゴル人夫婦の日本流おもてなし

3月の下旬頃近辺を車で走らせていると、ふっとまだ新緑の見えない耕地、畑に、鶴を見かける事があります。鶴は普通2羽か4羽で、それでも大きいだけに目立ちます。数日前の新聞に、筆者は知らなかったのですが、3月25日は「鶴の日」と書かれていました。中部および南部スウェーデンでは、渡り鳥の鶴が3月下旬頃、北部、シベリアへ移動する途中、南スウェーデンに舞い降り2、3週間滞在します。鶴の訪れは春の訪れ、昔から人々には親しまれていたのではないかと思われます。新聞では当地からりんごの町で有名なシビック(Kivik)へ行く途中の町、クリスティアンスタッド郊外に、ちょうど3月25日の「鶴の日」に9,900羽の鶴が数えられたと書かれていました。今までの最高記録だとも書かれていました。筆者も夫婦でちょうどその1週間前に見学に行ったのですが、当日は5,000羽程の鶴で、その鳴き声を聞いて、今更ながらようやく春が来たと思いました。

鶴の群れ
鶴の群れ

話を変えますが2、3週間程前、長女夫妻が住んでいる首都のストックホルムへ行って来ました。孫の2歳の誕生日祝いへと招かれたわけです。南スウェーデンからは我々夫婦と共に、次女夫婦、三女、更に首都に住んでいる長男も合流し、その上長女の夫の両親、兄家族も参加してまさにクリスマスの様な賑やかさでした。もっとも、小さい子供たちは興奮していて、家の中を走り回ったり、あるいは泣き出したりで、皆でゆっくり話し会う事などは出来ませんでした。チビたちの活発な様子を見ていると、微笑まずにはいられず、また皆若返るのでした。 誕生パーティーの始まる前のお昼に、孫たち2人を含む総勢11人で、数キロ程離れた最近開店した日本食レストランへ寿司を食べに行きました。席は長女たちが予約していたのでゆったり座る事が出来、その上ラッキー(?)だったのは、2歳弱のチビたち2人は、各々のベビーカーで眠っていて、クリスマス以来、皆で笑いながら懇談が出来ました。

モダンな色合いの日本食レストラン
モダンな色合いの寿司屋
豪華な寿司丼に日本のビール
豪華な寿司丼に日本のビール

寿司屋の名前はローマ字で「SOYOKAZE」と書かれていました。中では日本人の様な人たちが数人働いていました。若い男性のウエイターが親切に接客してくれ、それでもどこか顔形より仕草が違うので、中国人か韓国人かしらと思って見ていました。我々が注文した料理は寿司と丼類、飲み物は日本のビールで早速喉を潤わせました。日本を幾度も訪れている長女の夫に、「日本人の経営ではないだろう…?」と聞いてみたら、「どうして分かる…」と逆に聞き返されました。「食事の出し方がちょっと違う、日本人のウエイターだったら、もっと物柔らかに出すのでは…」と答えました。もしかしたら義父は津軽のじょっぱり、うるさいとも感じられたかもしれません。もっとも、若者たちは皆笑っていて、長男も含め、皆ストックホルムの日本レストランについては詳しい様で、「パパ、モンゴル人の経営だよ」と注意してくれました。「そうか、ジンギスカンの孫だったのか…」と今更ながら思いました。筆者の食べた寿司はとても美味しく、また食器や店の飾りがとても日本的で、キメも細かくとても懐かしくも感じました。

本格的なお寿司や海鮮丼を楽しむ様子
本格的なお寿司や海鮮丼を楽しむ様子

清算の時調理場にいたコック夫婦に、「料理はとても美味しかった、日本では貴国人は大相撲で大変活躍している、モンゴルはすごい」と褒めたら、英語で「ありがとう…」と返事されました。つい調子に乗って「ジンギスカンに宜しく…」と店を出ました。土曜日の午後、所々には雪もまだ少し残っていて明るく、散歩しながら長女の家へ、誕生日パーティーへと向かいました。

寿司屋を経営するモンゴル出身の夫婦
寿司屋を経営するモンゴル出身の夫婦

2019年4月5日
スウェーデン在住、弘前市出身、工藤信彰

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プロフィール

工藤 信彰
Nobuaki Kudo

1949年弘前市生まれ。大学時代に3年程休学し、ヨーロッパを旅したことがきっかけで、大学卒業後スウェーデンに渡る。スウェーデンにてルンド工科大学を卒業し、一般企業へ就職するが、経済学を学ぶため退職しルンド大学経済学部へ入学する。卒業後は1990年~2015年までマルカリド市役所勤務。マルカリド市議会議員(2006年~2018年)を経て、現在は環境党マルカリド党首及び、クロノベリ県議会執行役員を務めている。

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