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第12号 高い技術力で生まれた大紅栄

青森県弘前市出身の筆者としては、弘前公園で行われる弘前さくらまつりは、離れて住んでいても毎年気になるイベントのひとつです。故郷は遠くにいて思うものとよく言われますが、やはり私にも故郷が恋しいと思うところがあるのでしょうね。

弘前さくらまつり
弘前さくらまつり

前回お伝えしたとおり、4月下旬に日本へ旅行し、久しぶりに故郷の弘前市を訪れました。少しは咲いているであろうと期待しつつ、さくらまつり初日の4月23日、弘前公園へ行ってみました。園内の桜は残念ながらまだ咲いておらず、つぼみの状態でした。今年の東北地方は例年になく、雪の多い長い冬だったことが影響したのかもしれません。驚かされたのが、公園のあちこちにまだ残雪があったことでした。小さい頃を思い出してみても、桜まつりに雪が残っていたということはたぶんなかったと記憶しています。

翌日の夕方、本コラムの縁でお世話になっている方々と一緒に、市内(桶屋町)の有名な料亭に夫婦で招待され、美味しい料理をいただきました。普段の旅行では和食の場合、回転寿司かランチの和食がせいぜいだった家内は、今回、豪華な料理にありつけたことを大変喜んでいました。コクのある甲州ワイン、フランス産の白ワイン、シャブリ(Chablis)などをいただきながら、食事を楽しみました。社長の大中さんが大変英語がお上手で、今まで弘前の旧友との食事や飲み会では黙りがちだった家内も英語で会話しとても楽しそうでした。この時、お土産で弘前の青果市場のみで取り扱っているというりんご「大紅栄」をいただきました。「大紅栄」は、津軽娘の真冬の頬のように真っ赤な色をした大きいりんごです。

つがりあんアップル「大紅栄」
つがりあんアップル「大紅栄」

青森りんごは大きく抜群に美味しいのはわかっていましたが、「大紅栄」の赤色の素晴らしさを見た時に、日本人は様々な業種において高い技術力を持っていますが、農業においても、その高い技術力の凄さを感じてしまいました。それから、3~4日後、出国の前の日に宿泊した都内のホテルで家内と「大紅栄」を食べてみました。コクのある甘み、シャキッとした歯ごたえ、そして中の芯や種がこれまで食べたりんごに比べ小さく、凄い新種を開発したものだとあらためて感心してしまいました。

スウェーデンに戻った最初の土曜日、ちょうど南スウェーデンのヘルシングボリ市(Helsingborg)で、柔道の全国大会が行われ、首都ストックホルムから在スウェーデンの渡邉日本大使が来られると連絡があって、挨拶に行ってきました。今まで何人かの日本大使とスウェーデンでお会いする機会がありましたが、渡邉大使とは北国出身同士のせいか、どこか親しみを感じます。渡邉大使とは2、3度会っていたので、柔道大会の合間ちょっと時間を貰い、挨拶と近況報告ということで日本での旅行についての話をしたりしました。故郷の弘前市での出来事や、「大紅栄」の話をし、北海道出身の渡邉大使も日本を懐かしんでいる様子でした。

渡邉大使夫妻と作家モニカ・ブラウン(Monica Brow)
渡邉大使夫妻と作家モニカ・ブラウン(Monica Brow)

現在「大紅栄」は、台湾や中国への輸出もされており、青森県独自のブランドとして注目されているそうです。これからも、どんどん世界へ向けて進出して、世界中の皆さんに食べていただきたいものです。いつか、スウェーデンでも青森りんごが食べられる日が来るのでしょうかね。筆者も今後の青森りんごの発展が楽しみです。

家内と前の大使夫人(中島大使)、大使公邸
家内と前の大使夫人(中島大使)、大使公邸

2012年5月26日
スウェーデン在住、弘前市出身、工藤信彰

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プロフィール

工藤 信彰
Nobuaki Kudo

1949年弘前市生まれ。大学時代に3年程休学し、ヨーロッパを旅したことがきっかけで、大学卒業後スウェーデンに渡る。スウェーデンにてルンド工科大学を卒業し、一般企業へ就職するが、経済学を学ぶため退職しルンド大学経済学部へ入学する。卒業後は1990年~2015年までマルカリド市役所勤務。マルカリド市議会議員(2006年~2018年)を経て、現在は環境党マルカリド党首及び、クロノベリ県議会執行役員を務めている。

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