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第14号 ヤマトナデシコ in スウェーデン

6月16日から20日までの4日間、当地マルカリドから50キロ程離れた海岸の都市、ハルムスタッド(Halmstad)及びスウェーデン第2の都市、ヨーテボリ(Goteborg)で女子サッカーの3ヶ国戦(日本、アメリカ、スウェーデン)が行われました。筆者は現地時間6月18日月曜日に行われた日本対アメリカの試合を観てきましたので、その模様を書いてみます。

なでしこジャパン
なでしこジャパン

2011FIFA女子サッカーワールドカップでは1位が日本、2位アメリカ、そして3位がスウェーデン。その上位3ヶ国が集まった今回、自動車メーカーのボルボ主催による『ボルボ ウィナーズカップ』(Volvo Winners Cup)と言う名前で行われた試合でした。この夏にイギリスで開催されるロンドンオリンピックを前に、試合と共に相手側の様子を探る狙いもあったと思われます。

6月16日の南スウェーデンはほぼ快晴に近い初夏を思わせる、素晴らしい天気で迎えてくれました。マルカリドから西海岸の都市ハルムスタッドへのドライブは、白樺やブナの新緑が目立つ道を気持ちよく走れました。多分、役所の仕事を昼で切り上げ解放された気分、そしてなでしこジャパンと呼ばれる日本女子チームをこの目で見たくて、ワクワクしていたのでしょう。

ところがマスコミからはほとんど今回の試合について聞かれませんでした。6月に開催されていた男子サッカーのヨーロッパ選手権大会(EURO)が、ポーランド、ウクライナ両国で行われており、そちらにスウェーデン男子代表チームも参加していたので、マスコミがそちらの方に集中していた様でした。ちょっと余談になりますが、そのヨーロッパ選手権で男子スウェーデンチームが予選で負け苦しんでいた頃、スウェーデン女子サッカー代表の中心選手、ロッタ・シェリン(Lotta schelin)選手は、16日に行われたアメリカとの試合を前に、「男子チームを励ます為にも我々女子チームは頑張り、勝ちたい」とコメントしていましたが、残念ながら試合ではアメリカに3-1で負けてしまいました。

6月18日の試合が行われたサッカースタジアム、エリアンス・ヴァル(Orjans vall)はハルムスタッド第2のサッカー場で、1万人弱の観客が入れますが、当日の試合は月曜の午後1時。その上スウェーデンチームではなく、日本対アメリカだったので、観客は2千人を割っていました。普段あまり当国では日本人を見ないのですが、当日スタジアムへ近づく程、青色のTシャツ、また顔に日の丸を塗った日本人達が目立ってきて、あちこちから日本語も聞こえてきました。

エリアンス・ヴァル
エリアンス・ヴァル
試合直前のなでしこ
試合直前のなでしこ

インターネットで前日予約した座席は正面席で、すぐ目の前にテレビ局のカメラが数台置かれており、選手達の顔色も見えるような場所でした。サッカーの試合はほとんど観戦した事が無く、子供達の参加した試合を見た程度でした。今までテレビでしか有名チームの試合を見た事がなかったので、今回こんなにも間近に選手達の白熱した様子を見る事ができて感動しました。

座席のすぐ近くに、邦人の歯科医の友人がいたので「こんにちは」とまず挨拶。友人から「10番がサワさん。」と教えられ、そう言えば聞いた事がある名前だな、と思いつつ観戦しました。試合の方は、前半始めにあっと言う間にアメリカに2点取られてしまい、その上アメリカ選手の大きな体に圧倒されて、これでは大変だ、と感じてしまいました。それでも前半半ばになでしこが1点を返し、ワールドカップ優勝チームとしてのテクニックも見せてくれました。後半ではミスで1点、更にもう1点終了間際に取られてしまい、結局4-1でアメリカに負けてしまいました。観客席からの「ニッポン、ニッポン」の声援も、残念ながら力が及ばなかった様でした。選手達は疲れていたのか、あるいは相手の様子を探るのが狙いだったのかも知れません。

ニッポン応援団
ニッポン応援団

スタジアムを出たとたん、あんなにも晴れ渡っていた空が曇りだし、にわか雨がドッと降り出しました。なでしこジャパンの敗北をお天道様が悲しんでいたのかも知れません。その後6月20日ヨーテボリで行われた日本対スウェーデン戦では1-0でなでしこが勝ちました。

2012年7月23日
スウェーデン在住、弘前市出身、工藤信彰

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プロフィール

工藤 信彰
Nobuaki Kudo

1949年弘前市生まれ。大学時代に3年程休学し、ヨーロッパを旅したことがきっかけで、大学卒業後スウェーデンに渡る。スウェーデンにてルンド工科大学を卒業し、一般企業へ就職するが、経済学を学ぶため退職しルンド大学経済学部へ入学する。卒業後は1990年~2015年までマルカリド市役所勤務。マルカリド市議会議員(2006年~2018年)を経て、現在は環境党マルカリド党首及び、クロノベリ県議会執行役員を務めている。

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