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第18号 実りの秋のりんご狩り

9月に入るとあちこちの庭に植えられているリンゴの樹に実がなり、何となく故郷の弘前が恋しくもなります。当地では一般の住宅でも多くの庭にリンゴやスモモの木が2、3本植えられています。緑の芝生と共にリンゴの木、人々に憩いの気持ちを与えているのではないでしょうか。第1号でも書いた様にリンゴはスウェーデン人とっては国民の果物、象徴と言えるかも知れません。この9月の始め、西海岸の避暑地、ボースタッド(Bastad)に、リンゴ狩り行きました。今回はその様子を書いてみましょう。

ボースタッド(Bastad)

ボースタッドは避暑地であると共に、テニスの町としても広く知られています。毎年初夏にテニスの国際試合、スウェーデンオープン(ボースダッドオープン)がここで行われ、かつてはビヨン・ボルグ(Bjorn Borg)など世界一流の選手を生んだ国だけに、海岸を見ながらのテニス、流石に豪快な感じです。そのボースタッド郊外に、カットヴィイク果物栽培所があります。経営者はパール・ヘンリッソンさん(Per Henrysson)、毎年9月中は土曜日、日曜日の週末2日間、一般人にもリンゴ狩りを解放しています。値段は1キロ当たり9クローナ(約100円)です。スーパー等では国内産のリンゴが1キロ当たり約20~25クローナで売られているので、その半額以下でしょうか?

紙袋あるいはバケツやダンボールを持って、家族でリンゴ狩りにと週末は人々が集まって来ている様です。私も家内と、長靴を履いてウキウキと参加しました。リンゴの名札が立っている所は狩り取っても良い事になっていて、リンゴが沢山生っているだけに、人々はのんびり、味見しながら狩っている感じでした。それでも美味しいと有名なグリヴェシュタイナー(Gravensteiner)の名札の所では既にリンゴはほとんど狩り取られてありませんでした。

家内はリンゴの他、更に西洋なしを5キロ程狩り、全部で27キロになりました。紙袋で5個です。値段は243クローナ、約2700円位でしょうか。もぎたてのリンゴは甘酸っぱく、シャキシャキと美味しいだけに、5、6個は狩りながら食べていました。もっともこちらのリンゴは青森リンゴの様に大きくはありませんから、沢山食べられるわけですが、美味しそうなリンゴを見てると味見をしないわけにもいきません。

経営者のパールさん、奥様のモナさんと叔母さん

狩り取った後計り場へいくと、そこに経営者のパールさん、奥様のモナさんと叔母さんが一緒にいたので少し話を聞いてみました。一般に解放されているカットヴィイク果物栽培所の広さは約13ヘクタール、リンゴ栽培所はさらに2カ所あり全部で合計約60ヘクタールとの事で、全部で1万本のリンゴの樹が植えられているとの事でした。リンゴ専門の栽培者は全国にはそんなに多くなく、現在ボースダッド近辺の南スウェーデン西海岸と、同じく南スウェーデン東海岸に集中しているとの事でした。日本では虫に食われない様袋をかけ、又赤い色がまんべんなく出る様アルミで反射させている、と話したら、試験的にやった栽培所もあったと聞くけど、パールさんの所ではしていないとの事でした。またほとんどのリンゴは総卸屋に売られるとの事で、一般人の狩り取り分はほんの一部との事、それでも、土曜、日曜は1日当たり500人から1000人のお客さんがカットヴィイクを訪れて来るとの事でした。

リンゴの樹

スウェーデンでは普通リンゴを、夏リンゴ、秋リンゴ、冬リンゴと区別しています。夏リンゴは保存が出来ませんが、新鮮で美味しく、狩り取った後早く食べます。それに対し、冬リンゴは狩り取ったあと1ヶ月程寝かせてから食べると美味しいとも言われ、数ヶ月は保存が可能です。今回我々が狩ったのはほとんどが秋リンゴ。狩り取って来た新鮮なリンゴを毎日3~4個食べるので多分10月いっぱいで無くなるのではとも思っています。毎日シャキシャキと美味しいリンゴを食べ、ふと故郷を思っている近頃です。

2012年10月2日
スウェーデン在住、弘前市出身、工藤信彰

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プロフィール

工藤 信彰
Nobuaki Kudo

1949年弘前市生まれ。大学時代に3年程休学し、ヨーロッパを旅したことがきっかけで、大学卒業後スウェーデンに渡る。スウェーデンにてルンド工科大学を卒業し、一般企業へ就職するが、経済学を学ぶため退職しルンド大学経済学部へ入学する。卒業後は1990年~2015年までマルカリド市役所勤務。マルカリド市議会議員(2006年~2018年)を経て、現在は環境党マルカリド党首及び、クロノベリ県議会執行役員を務めている。

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