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第24号 大使公邸での新年会

1月の下旬、首都ストックホルムの日本大使公邸で恒例の新年会が行われました。筆者は長年南スウェーデンの日本人会会長に就任していたので、今年も夫婦で渡邉大使から招待状を受け取り、厳寒のストックホルムに行き参加してきました。今回は大使公邸での新年会の様子を書いてみましょう。

昨年の新年会は一昨年の東日本大震災の後だったので取り辞めとなり、今年は例年の様に恒例の新年会が1月23日水曜日の夕方にストックホルム郊外の海岸にある大使公邸で行われました。参加者は100人以上で、邦人が6~7割位、後はスウェーデン人、家内の様に国際結婚、あるいは日本と深く関わりを持っている現地の文化や企業の代表者でした。ちなみにスウェーデン全国には現在3,000人程の日本人が在住しています。首都のストックホルムにその半数以上は住んでいますが、第2都市のヨーテボリと共に、南スウェーデンでも約200人の日本人が生活しています。招待状は筆者の様に日本人会代表と共に、各分野での活躍者、また日本文化に寄与した人々に送られている様です。

ストックホルム中心街の広場
ストックホルム中心街の広場

新年会の行われたストックホルムは、朝方はマイナス20度まで下がっていて、雪のほとんどない中心街を歩いていてもとても寒く、耳が痛くなる程でした。中心街から地下鉄、更にバスで15分程、停留所から公邸までの海岸の水はすっかり凍っていてとても寒く、急ぎ日本大使公邸へ。入り口前に警察の車が1台、門には警備の人が3、4人、参加者のチェックを素早くしていました。新年会会場に入って久しぶりに出会った友人・知人達との話も「今日は冷え込んでいますね…でもお元気そうで何より」そんな会話から始まり、早く美味しいワインでも飲みたいなーと微笑み合いました。

新年会開会の挨拶は、渡邉大使から最近アルジェリアの天然ガス開発現場で起きたテロリストによる邦人10人の死亡のおくやみ、黙祷で始まりました。北海道出身で背の高い大使がうつむいたその姿は、一昨年の出来事も思い出され、少し痛々しい気持ちにもさせられました。

大使による乾杯の挨拶の後は、ストックホルム日本人会会長の小牧さんが着物姿で日本語と英語、スウェーデン語で挨拶しました。スウェーデン人の旦那さんは袴を着ての参加。「似合いますね」と言ったら、「袴は意外と着心地が良いですよ」との答えでした。小牧会長の後は現地人2人による剣道、木刀による剣舞。映画で見ていたチャンバラとは違い、その熱気に冷や汗もかきました。

現地人2人による剣道

剣舞が終わった後、いよいよ大使館の係の人から、食事が後ろに用意されていますからどうぞ、との食事会。ビュッフェ式の和食です。100人もの参加者がドッと食事のあるテーブルに集まるのですから大変です。家内と数人の知人達と、いつもの事ながら、なんで上手く列を作れないのかなと、テーブルを囲み身動きもできず、それ以上に食事にもありつけず、結局いつもの様にまずは隣のテーブルへ。そちらでは飲み物が用意されていて、早速白ワインを受け取り、喉を潤し気分も良くなりました。1、2杯飲み、幾人かと話し合った頃には、ビュッフェの方も空いてきて、寿司や酢の物、タケノコやこんにゃくなどを取り、久しぶりに食べる日本食です。

ビュッフェ式の和食

北海道出身の渡邉大使とは北国同士で話し易く、またこれも北国同士だからなのか、お酒が好きな様で、ちょっと顔を赤らめ、知人達からも「工藤…何故東北・北海道は酒飲みが多いのか」と冗談。

スウェーデンはウォッカ、スウェーデン名“ブレンヴィン(Brannvin)”で有名な国ですから、青森県人、北海道人には住み易いかも知れませんね。

渡邉大使と
渡邉大使と

2013年2月4日
スウェーデン在住、弘前市出身、工藤信彰

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プロフィール

工藤 信彰
Nobuaki Kudo

1949年弘前市生まれ。大学時代に3年程休学し、ヨーロッパを旅したことがきっかけで、大学卒業後スウェーデンに渡る。スウェーデンにてルンド工科大学を卒業し、一般企業へ就職するが、経済学を学ぶため退職しルンド大学経済学部へ入学する。卒業後は1990年~2015年までマルカリド市役所勤務。マルカリド市議会議員(2006年~2018年)を経て、現在は環境党マルカリド党首及び、クロノベリ県議会執行役員を務めている。

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