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第34号 大型暴風グドゥルンから8年…スウェーデンに再上陸!?

つい最近、フィリピンは超大型台風、「ハイエン(Haiyan)」に襲われました。その被害の甚大さに、今更ながら驚かされました。秒速70メートルの暴風。テレビの画面からは、屋根が吹き飛ばされたり、海の波が防波堤を乗り越えたりするなどの凄まじい光景、そして2日後には見るも無惨な災害地の壊滅的な光景が伝えられました。

日本は夏から秋が台風シーズン、日本の太平洋沿岸南部に住む人々は大変かとも思われます。北欧スウェーデンでも近年は大西洋からの大型暴風に襲われるようになりました。今回は暴風について書いてみましょう。

空から見たマルカリド町内
空から見たマルカリド町内

2005年の1月8日夕方、大西洋からイギリスを通り、北ヨーロッパから北欧へと暴風が吹き荒れると当時大きなニュースになりました。国の気象庁では暴風の規模が把握されておらず、確か危険度は3段階中、最低のレベル1と発表されました。暴風の名前はグドゥルン(Gudrun)、女性名です。

スウェーデンでは、暴風は「秋の暴風」とか「ストックホルムの強風」等と、季節及び被害にあった土地の名前で呼ぶのが一般的ですが、2005年1月の暴風は、隣国ノルウェーが付けたグドゥルンと呼ばれました。クリスマス、年末年始も終わり一段落ついたと思った矢先の出来事です。

近所の被害の様子
近所の被害の様子

雲行きが怪しくなり夕方の強風により少し不安になりました。1時間程して今度は停電!!突然真っ暗になり、近所の家を見ても真っ暗で、おそらく町中が停電になったのかなと思いました。

さらに7~8時間後の深夜、風はかなり和らいだものの外は停電で真っ暗、住宅地から300メートル先の大通りへ懐中電灯で照らしながら歩いて行くと、道路には大木が数本倒れていて道路を塞ぎ自動車が通れない状態。その時始めて気が付いたのですが自動車が1台も見当たらず、あたりは不気味な程に真っ暗でした。

それから町内の停電は更に2日間も続きました。暖房は我が家も含め電気ヒーターが多いので、室温が下がるにつれ先行きが不安になりました。田舎の方では状況がもっと酷く停電が2週間続き、消防署では無料でガソリン発電機を貸し出し、また役所及びプールのシャワーを貸し出しました。後日のニュースでは我々の住んでいたスモーランド地方が最大の被害にあったようで、予想以上の被害を当地に及ぼしました。森林国のスウェーデンではグドゥルンにより1年間分の森林伐採量が、たった1日の暴風でいとも簡単に倒されてしまったと報告され、被害の大きさが今更ながら伺われました。

森林の多いマルカリド町、我が家の庭からの風景
森林の多いマルカリド町、我が家の庭からの風景

グドゥルンから8年後、10月28日に気象庁から大型暴風が大西洋から上陸すると伝えられました。かつての経験からか、危険度3と今回は最大の数字で発表されました。グドゥルンの後は、多くの電力会社は国の指示で電線は地下に埋め立てられるようになりました。この日、南スウェーデンでは全ての鉄道はストップし、飛行場やスウェーデンとデンマーク間のオレサンド橋も閉鎖されました。職場、学校も半日で終った所も多く、更に各家庭でも停電に備え早めに準備をしました。

近所の被害の様子
近所の被害の様子

我が家でも夕方6時過ぎ、外の風は強くなってきて窓ガラスは風圧で歪み、反射して映った電灯の光が漂って、ちょっと不気味で不安にかられました。幸い停電にはならず夜の9時頃には暴風雨も落ち着き、かつてのグドゥルンの時を覚えているだけに、ちょっと物足りないくらいの気持ちにもなりました。家内は風も収まったので、ちょっと様子を見て来ると外に出て、私はテレビニュースを見ていました。20分程して家内が戻って来て「外は大丈夫だけど、庭のシラカバの木が倒れている!」と言われてビックリ!南側に面した息子の部屋の電灯を付けたら、窓の近くまでシラカバの枝で覆われ今一度ビックリ!

長男の部屋からの外の風景
長男の部屋からの外の風景
シラカバが倒れた跡
シラカバが倒れた跡

幸いシラカバが屋根に当たらなかったのでホッとしました。今思えば、気象庁の注意報は、グドゥルン程では無かったけど我が家では当っていたのかもしれませんね。

2013年11月12日
スウェーデン在住、弘前市出身、工藤信彰

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プロフィール

工藤 信彰
Nobuaki Kudo

1949年弘前市生まれ。大学時代に3年程休学し、ヨーロッパを旅したことがきっかけで、大学卒業後スウェーデンに渡る。スウェーデンにてルンド工科大学を卒業し、一般企業へ就職するが、経済学を学ぶため退職しルンド大学経済学部へ入学する。卒業後は1990年~2015年までマルカリド市役所勤務。マルカリド市議会議員(2006年~2018年)を経て、現在は環境党マルカリド党首及び、クロノベリ県議会執行役員を務めている。

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