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第41号 渡り鳥の休息地プルケンに舞い降りた鶴の群れ

3月の終わり、南スウェーデンに住んでいる次女を訪問し、二人でマルカリドから80キロ程離れているクリスティアンスタッド(Kristianstad)へとドライブに行って来ました。目的は、野生の鶴を観る事でした。

訪問の2~3日前に新聞を読んでいたら、今年も渡り鳥の鶴が例年より早く既にスウェーデンを訪れているとの事でした。確か中部スウェーデンに毎年2~3万羽ともいわれる鶴が訪れるので一度は観たいと思っていたのですが、よく読んでみたら当地からそんなに離れていないクリスティアンスタッド近辺にも鶴が集っているとの記事でした。クリスティアンスタッド一帯は「水の帝国」(Vattenrike)と言われる程沼が多く、また市の一部は海底1メートルの所にあり、湿地帯の地域としても知られています。そのクリスティアンスタッドから更に南へ15キロ程行った所にプルケン(Pulken)という小さい村があり、そこの沼地に集まっているとの事でした。

渡り鳥の鶴

鶴がいないだろうかと空を見上げながらのドライブでしたが、カラスやカモメだけで本当に鶴がいるのか不安になりました。その内プルケンの村名を見つけ、その標識の下には“鳥の集まる場所”と書かれていて興奮してきました。プルケン一帯は国の自然保護区になっていて、近づくに従い大きい鶴が数羽空を飛んでいるのが見られました。

「プルケン」を指し示す標識と案内図
「プルケン」を指し示す標識と案内図

農家の住宅近くに臨時駐車場が用意されていて、我々が到着した時には既に30台程の車が停まっていました。デンマークナンバーの車も数台停車していたので、有名な場所なのかしらと思いました。既に駐車場から遠くの大地に鶴の群れが見られ、凄いなーと思いつつ車を降りたら、一瞬鶴の鳴き声に驚かされてしまいました。鶴の一声ではなく、4~5千羽もの鶴の集団がガーガー鳴いているのですから凄い騒音でした。

渡り鳥の鶴
駐車場

駐車場から更に150メートル行った所に2階建ての鳥の見学小屋がありました。もっとも小屋に上がらなくても、100~200メートル先の畑(湿地帯)には土地が灰色になる程の鶴が群がっているのが見え、さらに上空には鶴が優雅に数羽あるいは群れをなして飛んでいて、鶴の鳴き声も忘れその雄大な野生の姿に圧倒されてしまいました。多くの人々はカメラや望遠鏡を持って来ていて、その景色に感銘しているようでした。

2階建ての鳥の見学小屋

鶴の身長は1メートルを超え大きいのですが体重は3~4キロとの事。足が細長く、飛んでいる時の姿はまさに最新鋭の飛行機がゆっくり飛んでいるようで、日本航空やドイツのルフトハンザ航空がシンボルマークに鶴を使っているのもうなずける気がしました。

毎年春先3月から4月にかけ、渡り鳥の鶴はスウェーデンに数週間滞在、冬はスペイン・アフリカで過ごし、夏はソビエト・シベリアで過ごしているようです。プルケンの鶴の滞在場所は自然保護区とはいえ、一般農家の土地や耕作物に相当な被害があるのではと思われましたが標識の説明書を読んでみたら、鶴の滞在中は毎日500キロ程の餌を農家の人々が与えているとの事。費用は国や市また鳥保護協会からの補助で、農家にしてみれば鶴が耕作物に被害をあまり与えないので、安心しているのでしょう。

渡り鳥の鶴

当日は日中温かかったものの、夕方から肌寒くなってきました。夕方になると鶴が更にあちらこちらから群れをなして飛んで来て、集まっていました。プルケンは鶴達にとっては安心して眠れる場所なのでしょう。

ふっと群れから飛び立つ鶴を見ていたら、ほとんどが偶数で2羽、4羽、6羽と…。鶴は夫婦仲が良いのかしら?と思ってしまいました。「鶴は千年、亀は万年」と言われますが、その優雅な姿や仲の良さに今更ながら感動しました。

渡り鳥の鶴

2014年4月12日
スウェーデン在住、弘前市出身、工藤信彰

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プロフィール

工藤 信彰
Nobuaki Kudo

1949年弘前市生まれ。大学時代に3年程休学し、ヨーロッパを旅したことがきっかけで、大学卒業後スウェーデンに渡る。スウェーデンにてルンド工科大学を卒業し、一般企業へ就職するが、経済学を学ぶため退職しルンド大学経済学部へ入学する。卒業後は1990年~2015年までマルカリド市役所勤務。マルカリド市議会議員(2006年~2018年)を経て、現在は環境党マルカリド党首及び、クロノベリ県議会執行役員を務めている。

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