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第54号 一流料理人とりんごのマッフィン

前回紹介したクロノベルグ県(Kronobergs lan)の県庁所在地ヴェクフェ市(Vaxjo)へ、先日再び行って来ました。県の成人教育協会の委員に選ばれたので、その定例総会に出席するためです。総会は形式的に1時間足らずで終わりましたが、その後、現在スウェーデンで1~2番を争うコック、クラウス・リンドベルグ氏(Klas Lindberg)の講演会があり、楽しく聞き入りました。若干31歳のクラウス氏、出身は当県も含めたスモーランド地方で、カラッとしたその若々しさや飾り気ない話し方に、とても親近感をおぼえました。

クラウス氏と筆者
クラウス氏と筆者

クラウス氏は昨年末のノーベル賞晩餐会の料理を受け持ったコックで、ノーベル賞授賞式1~2週間前にテレビ出演し、その時アナウンサーに晩餐会の料理について聞かれましたが、受賞者の発表と同様に料理も当日までは全くの秘密のようで、「内緒ですよ・・・、スウェーデン風の料理になります。」との返事でした。クラウス氏は2011年のスウェーデンの全国コック大会で3位、そして翌年2012年に1位を受賞し、若手ながら料理人として脚光を浴びていました。 2011年には、スウェーデンチームの代表の1人としてルクセンブルグでの世界料理大会に参加、スウェーデンチームは第2位で銀メダルを獲得しました。

クラウス氏の講演会
クラウス氏の講演会

講演会ではニューヨークでのコックの仕事、また何故コックになったか、更に料理の根本について、時々冗談も加えながら説明してくれました。育った家庭では母親がパンを焼き、ジャムやジュースも母親の手作りで育ったと説明していました。料理に興味を持ったのは既に子どもの頃からとの事で、コックとしての最初の仕事はスモーランドの東海岸の町、カルマーのレストランでした。その後パリに渡りレストランで働きました。フランスの台所では生物(なまもの)を大切にし、また時間をかけた料理に多くを学んだとの事でした。パリでクラウス氏の料理法の基礎が築き上げられたのではないかと思われました。

料理について楽しそうに語るクラウス氏
料理について楽しそうに語るクラウス氏

料理については生物の選択がとても大切との事でした。そして味(酸味・甘味・塩味・辛味)、更に外見の美しさを強調していました。クラウス氏に限らず、近年では料理人は料理の温度をとても注意しているそうです。例えば魚料理でオーブンを使用する場合、温度については是非温度計を使用して料理するようにと聴衆に説明していました。インターネットで検索すると、魚及び料理の種類によって仔細に温度が記されているので参考にするようにとの事でした。魚料理でオーブンの温度を100~125度に設定して加熱すれば味わいのある料理が出来るけれど、魚の外見が温度で変化するので、52度位で料理すると魚の外見も残り素晴らしい味わいも出来るとの説明でした。高温の175~225度では外部と内部に焼きのむらが出来易く、むしろ衣焼きとして使えるとの事でした。オーブンでの料理は一律200度と思っていた筆者は、今更ながら考えさせられた次第です。現在クラウス氏は、首都ストックホルムでフリーランスのコックとして自営業で働いています。名前は「クラウス・リンドベルグ 食事及びワイン ストックホルム」(Klas Lindberg Mat & Vin I Stockholm)です。もっぱらあちらこちらに呼ばれ、客がワインを飲んでいる間に、目の前で料理を作ったり出来上がった料理を出している様です。

スウェーデンのカフェ内の様子
スウェーデンのカフェ内の様子

クラウス氏のデザートの話ではありませんが、当地の喫茶店で最近マッフィンを食べたのでちょっと書いて見ましょう。マッフィン(Muffin)、イギリスでは小さい円形の軽焼きパンでバターを塗って朝食などに食べるようですが、スウェーデンの場合はパンと言うより円形のカステラで、中に果物やジャム、またチョコレートや粒の砂糖を入れた簡単なケーキという感じで、コーヒーやお茶を飲みながら食べます。手早く作れて持ち歩きも簡単なので、ピクニック等へ行く前日に作ったりします。喫茶店で食べたのはりんご入りで、ジャムではなく大きめに刻んだりんごがとてもフレッシュな味わいを感じさせました。

ショーケースに並ぶマッフィン
ショーケースに並ぶマッフィン
りんご入りマッフィン
りんご入りマッフィン

2015年4月25日
スウェーデン在住、弘前市出身、工藤信彰

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プロフィール

工藤 信彰
Nobuaki Kudo

1949年弘前市生まれ。大学時代に3年程休学し、ヨーロッパを旅したことがきっかけで、大学卒業後スウェーデンに渡る。スウェーデンにてルンド工科大学を卒業し、一般企業へ就職するが、経済学を学ぶため退職しルンド大学経済学部へ入学する。卒業後は1990年~2015年までマルカリド市役所勤務。マルカリド市議会議員(2006年~2018年)を経て、現在は環境党マルカリド党首及び、クロノベリ県議会執行役員を務めている。

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