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第75号 リネン工場“ヴェックスボーリン社”

亜麻、日本では北海道で多く栽培されている繊維植物、花は白色や青色で背丈1メートル程、中央アジアが原産のアマ科の一年草。スウェーデンでは田舎道をドライブをしていると、時々平原にうっすらと青い花が見られ、亜麻の花ではと感じます。そんな亜麻の茎皮から良質の繊維がとれ、高級繊維物のリネンが作られます。亜麻繊維は強靭で水分を早く吸収し、その上発散が早いだけに蒸し暑い日本でも高級繊維として知られているのではと思われます。

スウェーデンでは昔、多くの農家で栽培されていたと言われていますが、現在では殆ど生産されておらず、野草のようにドライブしていて時々見られる程度です。その亜麻を近年中部スウェーデンの田舎で、30年程前から繊維物を作り販売している会社があります。今回はその工場、売店を見学して来たので書いてみます。

リネン糸
リネン糸

会社の名前はヴェックスボーリン(Vaxbo Lin)社。ヴェックスボーは土地の名前、リンはスウェーデン語で亜麻、リネン。当地マルカリドから約700キロ程北上した、中部スウェーデンの田舎にあります。義兄が近くの町に住んでいるので、この3月の下旬、3、4日の休暇を利用して義兄を訪問し、更にヴェックスボーリンを訪れました。当時はまだ南スウェーデンとは異なり残雪が所々にあり、湖にはまだ氷がはられていて、当地マルカリドより2週間程春の訪れが遅れていると感じました。

ヴェックスボーリン社への案内標識
ヴェックスボーリン社への案内標識
ヴェックスボーリン社建物
ヴェックスボーリン社建物

ヴェックスボーリン社の現在の経営者はブルース(Bruce)ご夫妻で、女性社長のハンナさんの話では、中部スウェーデン地方は昔亜麻の栽培が盛んだったのですが、現在は少なく、原料の亜麻の多くはフランスから輸入しているとの事でした。ちなみに会社は1989年創業者のロルフ・オーケソン(Rolf Akersson)によって開始されたとの事で、ブルースさんご夫妻が2006年会社を引き継ぎ現在に至っています。

工場内の織機
工場内の織機
レセプションの女性とブルース夫妻の写真付工場の歴史パネル
レセプションの女性とブルース夫妻の写真付工場の歴史パネル

筆者が訪れた時には残念ながらブルースさんご夫妻は不在で、売店にいた女性の方が応対してくれました。ハンナさんとは後日電話で話し合いましたが、工場への入り口の壁にはまだ40代前と思われるご夫妻の写真と共に、工場の歴史が記されていました。

ハンナさんは、「天然資源の亜麻を文化遺産として引き継ぎ、(これからも)生産して行きたい。スウェーデンでまだ生産出来る事に誇りを持っている」と言っていました。従業員は14人、10年程前には首都ストックホルムに販売支店を4年間程持っていましたが、現在は現地売店と各地の民芸店が中心で、またインターネットの販売では日本からも注文が入っているそうです。現地売店のお客はスウェーデン人、ノルウェー人が中心で特に夏場には旅行客で増えるとの事でした。

工場内の織機
工場内の織機
売店の様子
売店の様子

ヴェックスボーリンの繊維、模様を見ていると、何となく津軽のこぎん刺しを思い出し、心が暖まります。我が家では4、5年程前に赤、そしてその翌年には茶色の大きいテーブルクロスを購入し、食事会やクリスマス等にそのテーブルクロスを使用しています。

ヴェックスボーリン社の製品
ヴェックスボーリン社の製品
ヴェックスボーリン社の製品
ヴェックスボーリン社の製品

話は変わりますが、先日の週末、りんごジュース工場で有名なシビックへ行って来ました。りんごの樹には小さいつぼみが見られましたが、まだ春先で肌寒い位でした。それでも現地販売の工場の売店には数人の客が見られ、りんごの実入りのジュースと共に今回は手動のりんごの皮むき器が売られていたので購入して来ました。スウェーデン鉄鋼でもないでしょうがわりと頑丈で、値段は199クローナ(約2400円)、スウェーデン産との事で、手回しでりんごの皮を剥くと同時にりんごをスライスするのでなかなか面白いと思いました。売店の女性に「りんごの花はいつ頃咲くの、花祭りがあるのですか…?」と聞いてみたら、「5月頃かしら…9月のりんご祭りはあるけど、花祭り(?)は分からない」との返事でした。

りんご皮むき器
りんご皮むき器

2017年4月20日
スウェーデン在住、弘前市出身、工藤信彰

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プロフィール

工藤 信彰
Nobuaki Kudo

1949年弘前市生まれ。大学時代に3年程休学し、ヨーロッパを旅したことがきっかけで、大学卒業後スウェーデンに渡る。スウェーデンにてルンド工科大学を卒業し、一般企業へ就職するが、経済学を学ぶため退職しルンド大学経済学部へ入学する。卒業後は1990年~2015年までマルカリド市役所勤務。マルカリド市議会議員(2006年~2018年)を経て、現在は環境党マルカリド党首及び、クロノベリ県議会執行役員を務めている。

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