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第78号 ブルーベリーとコケモモ採り

今年の夏、南ヨーロッパは猛暑で、フランスやポルトガルからは山火事のニュースが幾度か伝えられて来ました。一方北欧スウェーデンは逆にこの夏は涼しい日々が続き、気象庁からのニュースでは、この夏全国の最高気温は27度だったと伝えられました。スウェーデンでも例年夏には数日30度を超す事があるのですが、今年は20年ぶりの涼しい夏と言われています。更に春先には冷え込んだ日が続き、フランスもそうですが、あいにく耕作物の開花の時期と重なり農家の人々にとって今年は大変だと思われています。フランスからは今年はぶどうが不作で、フランスワインは減産されるのではとも言われています。当地の新聞にも1ヶ月程前、国内のりんご生産は例年の半分位になるのではとのニュースが報告されていました。昨年は農作物が例年になく大豊作だっただけに、尚更その反動が強く感じられつつあります。

25年程前に借り住んでいた、スウェーデンの一般的な田舎の家
25年程前に借り住んでいた、スウェーデンの一般的な田舎の家

毎年7月下旬から8月上旬にかけ、スウェーデン全体では野生の青いブルーベリー(Blårbär)及び赤いコケモモ(Lingon)が生ります。住民達は休日等を利用して山歩き、と言っても南スウェーデンでは平地ですが、散歩がてらプラスチックの入れ物を持って、ブルーベリーやコケモモの果実採りを楽しみます。りんごと共に昨年はブルーベリーが大豊作で、我が家では家内が去年の夏2、3週間で20リッター程のブルーベリーを採り、まだ地下の冷凍庫に数箱残っています。私自身は小粒のブルーベリーを根気よく採るのが苦手ですが昨年の思い出があっただけに、この8月の始めに家内と一緒にブルーベリー採りに行って来ました。簡単に取れるのだろうと思いつつ、日曜日に半日山歩き(平地歩き)をしましたが、ブルーベリーは中々見つからず、その反面赤いコケモモが沢山見出されました。家内に言わせれば、昨年はブルーベリーが沢山採れコケモモがあまり採れなかったので、今年はコケモモの年との事でしたが、現実には、多分この春先の寒さの影響でブルーベリーが例年になく不作なのでしょう。

野生のブルーベリー
野生のブルーベリー

ブルーベリーとコケモモの茎、葉っぱはほとんど同じで、見た目にはちょっと区別がつきません。黒っぽく青い柔らかい果実がブルーベリーで、赤く硬い果実がコケモモ。ブルーベリーはつまんで採る時注意しないとぐしゃぐしゃに潰れ、指先に色が残るので大変です。日本語ではブルーベリーを西洋スノキ、コケモモ属とも言われているので、同じ植物系と思われます。ブルーベリーは北欧で大変豊富で、スウェーデンと共にノルウェー及びフィンランドで沢山採れます。ドイツではりんごジュースがホテルの朝食や会議場で出されるのですが、フィンランドではブルーベリージュースがよく出されます。ちなみにフィンランド航空に乗ると、りんごジュースやオレンジジュースと共にブルーベリージュースが出されます。

取り集めたブルーベリー
取り集めたブルーベリー
取り集めたコケモモ
取り集めたコケモモ

ブルーベリーはジュースと共に家庭ではジャムを作ったり、あるいはケーキやパイにして食べます。コケモモ程ではありませんが、酸っぱ味もあるので砂糖を入れ加工します。少し私談になりますが、スウェーデンに住み始めの頃よくお腹を壊し、食事が合わないからかな…とも思っていたのですが、誰かからお腹を壊した時はブルーベリーを砂糖と共に沸かして飲んだら良いと聞かされました。試してみたら本当に良く効いたのでそれ以後は、学生寮、アパート、また家でもブルーベリーを手元から離した事がありません。

野生のコケモモ
野生のコケモモ

赤いコケモモは硬いので生では食べられず、また酸っぱ味、苦味も強く、砂糖を沢山入れ煮込んでジャムにしたり、ジュースにします。スウェーデンの肉料理では、よく赤い酸っぱ味のあるコケモモジャムがソースと共に出されます。
 食欲の秋、読者の皆さんもブルーベリー、コケモモを試してみて下さい。

 
取り集めたコケモモと採り具
取り集めたコケモモと採り具
コケモモの採取中に電話を受ける家内
コケモモの採取中に電話を受ける家内

少し余談になりますが日本のユニクロが首都のストックホルムへ進出、スウェーデン第一号を開店するとこの夏の中央紙に載っていました。H & M の日本進出と共に、今度は逆にユニクロがスウェーデン進出…今後が楽しみですね。

2017年8月24日
スウェーデン在住、弘前市出身、工藤信彰

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プロフィール

工藤 信彰
Nobuaki Kudo

1949年弘前市生まれ。大学時代に3年程休学し、ヨーロッパを旅したことがきっかけで、大学卒業後スウェーデンに渡る。スウェーデンにてルンド工科大学を卒業し、一般企業へ就職するが、経済学を学ぶため退職しルンド大学経済学部へ入学する。卒業後は1990年~2015年までマルカリド市役所勤務。マルカリド市議会議員(2006年~2018年)を経て、現在は環境党マルカリド党首及び、クロノベリ県議会執行役員を務めている。

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