りんごはポリフェノールをはじめ、さまざまな栄養成分が含まれる栄養価の高い果物です。これらの栄養成分は、アンチエイジングに役立つ働きが期待できます。りんごを食べて、健康的に美しく歳を重ねましょう!
アンチエイジングとは、老化(エイジング)の速度を緩やかにして、生涯に渡り介護を受けず自立した生活を送ること。健康寿命を延伸し、心身共に健康に美しく歳を重ねることを意味します。アンチエイジングのためには、抗酸化・抗糖化・抗炎症の3つの「抗」が大切と言われています。
リンゴに含まれている栄養成分には、抗酸化や抗糖化作用があるため、アンチエイジング効果が期待されています。
体内で過剰に活性酸素が発生すると、活性酸素が私たちの細胞を傷つけ、シワやシミなどの肌にダメージを与えたり、がんや動脈硬化などの生活習慣病の一因になったりして、老化を加速させます。活性酸素が細胞を傷つけることを「酸化」と言い、活性酸素を除去することを「抗酸化」と言います。
りんごには、抗酸化作用に優れた成分「ポリフェノール」が豊富に含まれています。様々な種類のポリフェノールが含まれていますが、中でも「プロシアニジン類」が豊富です。プロシアニジン類はポリフェノールの中でも、特に抗酸化作用に優れているといわれています。
リンゴを切ると茶色くなりますが、これはポリフェノールが酸化したためです。酸化したポリフェノールを体内に取り入れても、抗酸化作用はあまり期待できません。できるだけ酸化していない状況で食べることが大切です。そのため、切ったらすぐに食べるようにしたり、切り口にレモン汁をふりかけたり、切り口を塩水に浸すなどして、酸化を防ぐようにしましょう。
また、ポリフェノールは熱に弱い性質があるため、ポリフェノールを活かしたいときは、生で食べることがお勧めです。
ポリフェノールは、体内に留まっている時間が短いため、1日の中で何度かに分けて、こまめに食べることもアンチエジングのためには大切です。
糖化とは、体内で余分な糖とたんぱく質が結びつくことで作られる糖化たんぱく質の「AGE(糖化最終産物)」が蓄積されていくことです。AGEが蓄積されることで、老化が進みます。つまり、血糖値が急上昇したり、血糖値が高い状態が続いたりすることで糖化が起こるため、出来るだけ血糖値が急上昇したり、血糖が増えすぎないようにすることが、アンチエイジングのために大切です。
リンゴは甘いため、血糖値が上昇するのではないかと思われがちですが、リンゴには血糖値の上昇を緩やかにする「ペクチン」という食物繊維が含まれていたり、「フロリジン」というりんごポリフェノールには、体内の余分な糖質を尿と共に排出する働きが期待されています。そのため、リンゴを食べても、糖化を招くことはないと言われています。果物は1日200g=りんご1個位が目標量になります。1日1個のりんごを目安に、こまめに食べるようにしましょう。
また、リンゴと血糖値に関する様々な研究が報告されています。
米国のデラウエア大学で行われた研究では、炭水化物の摂取による血糖値と満腹感の関連について調べたところ、リンゴをよく食べる人は食後の血糖値の上昇が少なく、満腹感が続きやすい傾向があることが示されました。また、日常の習慣として、運動を行い、リンゴをよく食べる人では、食後の血糖値の上昇が最も少なかったそうです(※)。
※ Krishnamachar S et al. The influence of different carbohydrate sources on blood glucose levels and satiety effect of physical activity on blood glucose response. Nutrition & Food Science. 41F: 29-40. 1987.
アンチエジングには、動脈硬化を防いで質の良い血管を作ることも大切です。動脈硬化を予防するためには、高血圧にならないことや、悪玉コレステロールを増やしすぎないようにすること、抗酸化成分を摂ることが大切です。リンゴに豊富に含まれているカリウムには、高血圧の原因となるナトリウム(食塩)を排出する働きがあります。また、リンゴに含まれるペクチン(食物繊維)には、血中の悪玉コレステロール値を低下させる効果もあります。先にも述べたように、リンゴポリフェノールには抗酸化作用もあるため、リンゴに含まれる栄養成分には、動脈硬化を予防して、質の良い血管を作ることに役立ちます。
「腸の老化は全身の老化に繋がる」と言われるように、腸を健康的に保つことは、アンチエイジングになります。リンゴに豊富に含まれるペクチンは、善玉菌のエサになって増やすため、陽内環境を整えるのに役立ちます。
〈エビデンス〉
① アンチエイジングとは → アンチエイジング医学の基礎と臨床 発行メジカルビュー社 編集:日本抗加齢医学会 専門医・指導士認定委員会 2015年
② 抗酸化とりんごの栄養 → 病気にならない魔法の7色野菜 発行:法研 監修:中村丁次 2008年 / 日本食品科学工学会誌 第63巻 第1号 2016年1月(https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/63/1/63_57/_pdf) / 日本食品保蔵科学会誌VOL.46 NO.2 2020(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jafps/46/2/46_71/_pdf/-char/ja)2026年5月29日閲覧
③ ポリフェノールを活かす食べ方 → 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット(https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shokuhin-seibun/polyphenol.html)2026年5月29日閲覧
④ 抗糖化とりんごの栄養・⑤ 血管のアンチエイジングとりんごの栄養・⑥ 腸内環境とりんごの栄養 → 数字でわかる老けない食事 AGEデータブック 発行:一般社団法人AGE研究協会 監修:山岸昌一 2019年 / あたらしい栄養学 発行:高橋書店 監修:吉田企世子,松田早苗 2021年
管理栄養士、野菜ソムリエプロ、日本抗加齢医学会認定指導士。
総合病院、腎臓・内科クリニックを経て独立。豊富な臨床経験と抗加齢医学の活動等を通して、健康と美しさを作る食生活を見出し、分かりやすく、実践しやすいアドバイスや情報発信を得意とする。また、多くの患者さんと接することで睡眠の重要性に気づき、日本睡眠学会専門医の指導の下、睡眠改善インストラクター、上級睡眠健康指導士を取得。食事と睡眠の観点から健康と美容にアプローチする「睡食健美」を提唱している。これまでの功績が評価され、日本抗加齢医学会にて褒章受章。
現在は、「女性医療に栄養を。」をモットーに、婦人科にて栄養・睡眠相談を担当する他、講演会、セミナー講師、メディア出演、各種取材対応、レシピ提案・監修、コラム執筆、商品プロモートなど、幅広く活動中。プレコンセプションケア、PMS、更年期、妊活、低栄養・痩せなど、身近な不調や女性の健康課題へのアドバイスを得意とする。女性アスリートのサポートにも携わり、幅広い世代の女性の健康とパフォーマンス向上に寄与している。
◯日本アンチエイジング・ダイエット協会理事
◯日本抗加齢医学会 2021年度 褒章制度 メディカルスタッフ賞受賞
◯日本野菜ソムリエ協会認定講師
◯日本女性心身医学会認定更年期指導士
◯日本アンチエイジング歯科学会理事
◯こども家庭庁認定 アドバンスト・プレコンサポーター
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