今、注目されているリンゴポリフェノール。健康や美容効果が期待できることで知られていますが、りんごには、その他にも、美容に嬉しい成分が含まれています。
リンゴには様々なポリフェノールが含まれており、それらを総称してリンゴポリフェノールと呼んでいます。ポリフェノールにはシミ・シワ・たるみと言った肌老化の原因となる活性酸素を除去する抗酸化作用が期待されています。中でも、リンゴポリフェノールの主成分はプロシアニジンで、強い抗酸化作用があることで知られています。その他にも、血液中の脂質の酸化を防いで血流を良くしたり、LDLコレステロール値(通称、悪玉コレステロール)を低下させるなどして、血管の健康を維持する効果も期待できます。血管の老化は全身の老化に繋がると言われる程、血管の健康維持は、美容のためにも欠かせないものです。
ポリフェノールは皮に豊富に含まれるため、皮ごと食べるのがお勧めです。ポリフェノールは体内にとどまっている時間が短いため、食後やオヤツなどで、こまめに食べることが大切です。加熱に弱いため、生でそのまま食べるようにしましょう。また、りんごを切ると断面が茶色く褐変しますが、これはポリフェノールが酸素によって酸化された状態です。これにより抗酸化力の一部を使ってしまった事になるのです。酸化する前に切ったらすぐに食べるか、塩水やレモン水に漬けるなどして、酸化を防ぐようにしましょう。
幼い頃、風邪をひくと母がすりおろしりんごを食べさせてくれたことを思い出します。りんごにはたんぱく質の消化を助けるたんぱく質分解酵素の「プロテアーゼ」が含まれています。恐らく、風邪をひいて弱った胃腸を助ける効果を期待しての事だったのでしょう。実は、美肌作りのためにも役立つのがプロテアーゼです。栄養素は食べた物が全て消化吸収されるのではありません。たんぱく質は、消化酵素により消化されることで吸収され、利用することが出来るのです。肌はたんぱく質で出来ているため、美肌のためには、たんぱく質をしっかりと消化吸収させることが大切です。食後に食べれば、食事により体内に取り入れたたんぱく質の消化に一役買ってくれます。
プロテアーゼをしっかり働かせるためには、「すりおろし」がお勧めです。すりおろすことにより、酵素が働きやすくなるためです。また、酵素は熱に弱いため、生で食べることがお勧めです。
実は、りんごは、ビタミンC含有量が少ない果物です。しかしながら、体内のビタミンCを増加させる働きがあるという報告は多数あるようです。ビタミンCは、体内のコラーゲンを維持したり、コラーゲンを合成するときに必要な栄養素です。コラーゲンはお肌のハリやたるみを予防するために欠かせません。その他にも、ビタミンCには抗酸化作用や、シミの素となるメラニン色素の沈着を防ぐ効果も期待できます。美肌のためにも、りんごをこまめに食べて、体内のビタミンCを満たしてあげましょう。
りんごにはカリウムというミネラルも含まれています。カリウムは、余分な食塩(ナトリウム)を排泄する効果が期待されているため、食塩の摂り過ぎによるむくみの予防や改善効果が期待できます。濃い味付けが好きな方、外食や出来合いの総菜・弁当などを食べる機会が多い方は、食塩摂取量が多くなりやすいため、食後のりんごがお勧めです。
りんごジャムを作られる方は、砂糖と酸を加えた時に、トロリとした状態=ゲル化するのを見たことがあるでしょう。これは、水溶性食物繊維のペクチンです。水溶性食物繊維は、血糖値が急激に上昇するのを抑える効果があります。血糖値が急上昇すると、余った糖が細胞(=たんぱく質)に結びつき、AGEという焦げのようなものを作る(=糖化する)ことで知られています。焦げは(AGE)は、肌のくすみやたるみ、動脈硬化などの一因となりますが、りんごに豊富な食物繊維は血糖値の上昇を緩やかにするため、糖化を防ぐ効果も期待できます。また、ポリフェノールにも血糖値の上昇を抑える効果もあるため、相乗効果が期待できます。勿論、りんごに豊富な食物繊維で腸内環境を整えることでも、美肌効果が期待できます。
〈エビデンス〉
【りんごで美味しく美肌を目指す】 → 文部科学省 食品標準成分表2020年版(八訂)
① ポリフェノールと美容の関係 → 一般社団法人 日本スキンケア協会(https://www.skincare.or.jp/wp/skincare/kasseikouso/)2026年5月26日閲覧 / 日本食品科学工学会誌 第63巻 第1号 2016年1月(https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/63/1/63_57/_pdf)
② ポリフェノールは食べ方もポイント → 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット(https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shokuhin-seibun/polyphenol.html)2026年5月26日閲覧
③ プロテアーゼで美肌を目指す・④ プロテアーゼも食べ方がポイント → 薬品情報スズヤ(https://med.suzuya-auto.com/puroteazekasseiwotadashikurikaisuru.html)2026年5月26日閲覧 / 自然植物図鑑(https://rs-hamada.net/?p=5193#google_vignette)2026年5月26日閲覧
⑤ ビタミンCでエイジングケア → アグリサーチャー 農業研究見える化システム(https://agresearcher.maff.go.jp/seika/show/224545)2026年5月26日閲覧 / 栄養素図鑑と食べ方テクニック 発行:朝日新聞出版 監修:中村丁次 2021年
⑥ カリウムでスッキリ美人 → 栄養素図鑑と食べ方テクニック 発行:朝日新聞出版 監修:中村丁次 2021年 / 厚生労働省 健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~(https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/food/ye-005)2026年5月26日閲覧
⑦ 食物繊維で糖化を防ごう → 栄養学の基本 発行:マイナビ出版 監修:渡邊昌 2016年 / メディカルドック(https://medicaldoc.jp/m/nutrients/nu081/)2026年5月26日閲覧 / 数字でわかる老けない食事 AGEデータブック 発行:一般社団法人AGE研究協会 監修:山岸昌一 2019年
管理栄養士、野菜ソムリエプロ、日本抗加齢医学会認定指導士。
総合病院、腎臓・内科クリニックを経て独立。豊富な臨床経験と抗加齢医学の活動等を通して、健康と美しさを作る食生活を見出し、分かりやすく、実践しやすいアドバイスや情報発信を得意とする。また、多くの患者さんと接することで睡眠の重要性に気づき、日本睡眠学会専門医の指導の下、睡眠改善インストラクター、上級睡眠健康指導士を取得。食事と睡眠の観点から健康と美容にアプローチする「睡食健美」を提唱している。これまでの功績が評価され、日本抗加齢医学会にて褒章受章。
現在は、「女性医療に栄養を。」をモットーに、婦人科にて栄養・睡眠相談を担当する他、講演会、セミナー講師、メディア出演、各種取材対応、レシピ提案・監修、コラム執筆、商品プロモートなど、幅広く活動中。プレコンセプションケア、PMS、更年期、妊活、低栄養・痩せなど、身近な不調や女性の健康課題へのアドバイスを得意とする。女性アスリートのサポートにも携わり、幅広い世代の女性の健康とパフォーマンス向上に寄与している。
◯日本アンチエイジング・ダイエット協会理事
◯日本抗加齢医学会 2021年度 褒章制度 メディカルスタッフ賞受賞
◯日本野菜ソムリエ協会認定講師
◯日本女性心身医学会認定更年期指導士
◯日本アンチエイジング歯科学会理事
◯こども家庭庁認定 アドバンスト・プレコンサポーター
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