投稿日:2026/7/28
まだ中国を旅しています。
今回は、江蘇省の南京、揚州、浙江省の杭州、紹興、温州、福建省の福州、廈門、漳州、広東省の深圳、広州、特別自治区の香港、マカオに行きました。
経済規模が高くて人口も多い沿岸エリアですが、地名を羅列するだけでは、どこなのかイメージが付きづらいですよね。不親切だと今ごろ気づきました…これからは白地図とセットにします。
さて、いきなり昔話ですが、
コロナ禍の時に暇つぶしで世界遺産検定を取得しました。この種の検定って自己満足の要素が高く、とりわけ日常生活で役立つことはないのですが、世界遺産の歴史や背景を知れたことが今回の旅には活かされています。
勉強を通して興味をもった「福建土楼」を訪れました。
福建土楼とは、客家(ハッカ)という漢民族の一集団が一族で暮らした巨大な要塞型集合住宅です。
円形や四角形の建物(3〜4階建て)のなかに中庭があり、数十〜数百人が共同生活を送っています。1階は台所や井戸など生活・作業の空間、2階は穀物や食料、生活用品を保管する倉庫、3階以上を居住スペースとする構造になっています。2008年には世界遺産に登録されました。
冷戦時代、アメリカの情報機関は衛生写真で土楼を上空から確認した際、その独特な形から核ミサイル発射基地だと誤認したという有名な逸話も残っています。
たしかに時代が時代でしたから、山奥にこんな建物があるのを見つけたらビビりますよね。
ポツンと一軒家どころの騒ぎではなかったでしょう。
ほかには西湖やコロンス島などの世界遺産をまわりました。いわゆる観光名所を巡る旅です。
一方、舌で味わう旅もしています。
本題(フルーツ)に入る前に、中国茶の感動を書かせてください。
中国はお茶発祥の地で、中国茶は製法によって緑茶・白茶・黄茶・烏龍茶・紅茶・黒茶の6種類に分類されます。
政府が「中華人民共和国国家標準 GB」という明確な基準を策定し、分類および等級を定めています。生産者や販売者が独自の基準や等級を設定することはできません。絶対評価の厳しい世界なのです。
本場にいるんだからモノは試し。杭州の「茶叶市場」にいき、「西湖龍井茶」を買って飲んだら驚愕。チョーーーうまい。
甘く爽やかで苦味が一切ない。感動しました。
それから各地の茶市場で試飲させてもらっては、気に入ったやつを100gほど購入しています。
いままで、緑茶「西湖龍井茶」、白茶「月光白」「古樹銀針」、黄茶「蒙頂黄芽」、烏龍茶「鳳凰単叢(鴨屎香)」、紅茶「九曲紅梅」、黒茶「プーアール茶」を買い、ザックに忍ばせています。
中国では、旅人(外国人)であっても、ホテルに電気ポットがあるし、鉄道駅に無料で利用できる給湯器が設置されているので、水筒さえあればいつでもお茶を淹れられるんです。
気分や時間に応じて茶葉を選び、お茶を淹れ、楽しむ。これだけで旅のクオリティオブライフがかなり上がります。舌で味わい楽しむ旅を送れています。
本題(フルーツ)に入ります。
中国大陸を南下してきたので、南国フルーツをよく見るようになりました。バナナ、ヤマモモ、ライチ、ランブータン、釈迦頭などです。
まず、ヤマモモが一般的なフルーツとして売られていることに驚きました。
日本では庭木や街路樹が中心で、商業栽培は少ないヤマモモ。私としては、公園や裏山などのその辺にある、食べられる実だという認識です。ちっちゃい頃に食べましたが、酸味や渋みが強いんですよね。けっこう虫もくっついてたような…。
一方、中国では改良品種が数百種あり、大粒かつ高糖度。初夏には市場やスーパーに高級なフルーツとして並びます。高級といっても1斤10〜20元(≒250〜500円)が相場です。
実際に食べましたが、甘みと酸味のバランスが良くて美味しかったです。
ただ、ライチの美味しさには負けます。
中国はライチの原産地であり、主に広東省、福建省、広西チワン族自治区で栽培されています。
古くから愛されてきた果物で、
杜牧の詩「一騎紅妃子笑」や蘇軾の「日荔枝三百顆」という名句にも登場します。詩の意味は自分で調べてくださいね。
中国人はライチが大好き。ライチの陳列棚にはバーゲンセール並みに人がたかっていました。
ここで驚くべき光景が…。それは写真左のおばちゃんです。堂々とライチ(未購入)を食べているんですよね。
ほかにも、主に高齢者がスーパーや八百屋に売っているライチやブドウ、スモモなどの粒が小さい果物を勝手に試食している様子をよく見かけました。
郷に入れば郷に従え理論で、私も食べてから判断しよー!っと思ったのですが、自制心が働き、中国版AI(百度)に違法でないか聞いてみると、「現在見られる一部の人の無断飲食行為は近年の一部の不適切な習慣に過ぎず、長年受け継がれてきた社会的に認められた慣習とは言えません…(中略)…無断で商品を消費する行為は窃盗に近い行為として忌避されてきました」と回答が返ってきました。
あぶなかった…。無断試食外国人として捕まるところでした。
話を戻しますが、みなさん、人生で一度は新鮮なライチを食べるべきです。それくらい美味しい。
ただ注意は必要です。あるとき40粒ほどライチを食べたら軽い目眩と立ちくらみが…。いわゆる「ライチ病」になったっぽいです。
これは空腹時にライチを大量に食べると起きる急性低血糖になる現象。適量を守ることが大事で、成人は1日10〜15粒、子どもは5粒以内が目安だそうです。5粒…。子どもには戻りたくありません。
子どもと言えば、中国の小中学校に「フルーツタイム」なる素晴らしい制度があると知りました。全国一律の制度ではないものの、各地域・各学校が、栄養や健康に関する指針に基づいて自主的に設定している制度のようです。
「フルーツタイム」とは、食育および日中の活動に必要なエネルギーを補給するため、児童生徒が自宅から持参した果物を食べる時間のこと。時間割の2時間目が終了した後に、8分ほど設けられています。1回の摂取量は約100gを目安とし、旬の新鮮な果物の持参が推奨されています。一部学校では、午後の休み時間に、給食のように果物を提供しているところもあるそうです。
果物が嗜好品化している現代の日本社会において、毎日持参するのは非現実的ですが、せめて給食で多様な果物を味わえるようにしたいものです。
最後にりんごの話です。
一国二制度という特殊な環境下にある香港・マカオ。ここでは、青森県産りんごがたくさん売られていました。「ふじ」に「王林」、「名月」、「ジョナゴールド」、「もりのかがやき」…「もりのかがやき」!?
異国の地でマイナー品種に出会えるとは、驚きました。
「もりのかがやき」が売っていたのは香港にある高級スーパー。日本でいうところの明治屋や成城石井あたりのクラスでしょうか。
だから値段は高めです。1個あたり約40〜50HKD(≒800~1000円)で販売されていました。
比較的庶民的なスーパーでは、
1個あたり約10〜20HKD(≒200~400円)で売られていました。200円なら日本と変わらないですね。なんか悔しい…。
青森県産りんごの今後を考えたときに、輸出先の比率を再考する必要があります。
というのも、現状の主要輸出先は台湾と香港。2047年に一国二制度が終了しますし、仮に台湾も本土復帰したら…。ホタテなどの海産物がそうであったように、りんごも締め出される可能性がなきにしもあらずです。
すでに関係各所のみなさんが動いていると思いますが、色々なシナリオを考えたうえで、輸出先の比率を再考する必要がありそうです。
てか、青森の一流の生産者が作った高品質なりんごを、日本人が適正価格で買って、食卓に並べられるようにすべきだと考えます。
日本は先進国なんですから、「食べたいけれど、りんごなんて高くて買えない…」と言う人を減らしたい。
輸出輸出という前に、政府には内需拡大のために、国民の可処分所得を増やす政策を実行してもらいたいものです。
次回は、中国の西南エリアとネパール編をお送りします。お楽しみに。
1997年8月1日、神奈川県横浜市生まれ。
小学校の教員として働くなかで、地域おこし協力隊という仕事と美味しいリンゴにめぐりあい弘前にI ターン移住。
さまざまな品種を食べたり、副業として生産作業に従事したり、シードルアンバサダーを取得したりしてリンゴの魅力を多面的に味わっています。
「りんご大学」では、溢れんばかりのリンゴへの愛と好奇心を活かしてリンゴの情報を発信中。現在はキャリアブレイクとして世界漫遊の旅に出ているので、リンゴを主とした世界のフルーツ事情も発信しています。
【資格・免許など】
教員免許[小学校、中学校(社会)、高等学校(公民)(地理歴史)]、社会教育士、自然体験活動指導者、国内旅行業務取扱管理者、全国地域リーダ養成塾修了(37期)、世界遺産検定1級
