投稿日:2026/8/27
今回は、中国・雲南省の昆明、大理、麗江、香格里拉(シャングリラ)、四川省の成都、青海省の西寧、チベット自治区のラサ、シガチェ、キーロンに行き、その後、中尼国境を越えてネパールに入国。ネパールではカトマンズ、ポカラ、ルンビニを周りました。
そのときの話をフルーツに絡めてお送ります。
まずは上記の青いルートを辿った理由を説明しますね。
ズバリ一言、チベットを体感したかったからです。
行政区分としてのチベット自治区だけでなく、歴史的・文化的な意味も含めた広義のチベット、つまり「チベット文化圏」を可能な限り見てまわりたい。
そんな思いから、このルート選択しました。
チベット文化圏とは、
●ウ・ツァン(Ü-Tsang):中央チベット(ラサ周辺)
●アムド(Amdo):北東チベット(青海・甘粛方面)
●カム(Kham):東チベット(四川・雲南方面)
●周辺国・地域:ブータン、ネパール、インド(ラダック・シッキムなど)
からなります。
雲南省北部のシャングリラには、松賛林寺(ソンツェリン・ゴンパ)という大規模なチベット仏教寺院があります。
ネパールの首都カトマンズにあるネパール最古の仏教寺院には、マニ車(まにぐるま)というチベット仏教で使われる宗教用具があったり、周辺にはチベット仏教の僧院があったりします。
このように、自治区の枠を超えて文化圏が広がっているわけです。
チベット文化圏めぐりで1番記憶に残っているのは、雲南省です。
雲南省は南部の熱帯地帯から北西部の高山地帯まで標高が大きく変化します。そのため、熱帯→亜熱帯→温帯→高山帯という気候が一つの省の中に存在します。
その結果、コーヒー、バナナ、マンゴーのような南方系作物と、茶、米、ジャガイモなどが同じ省内で栽培されるという、非常に多様な農業環境に恵まれています。
加えて、ラオスやベトナム、ミャンマーと国境を接しているので、市場には東南アジアの産品も並びます。国内全域からも産品が流通するので、無いものが無いと言えるほど、多種多様な農作物がよりどりみどりでした。
毎度のことながら、販売価格に驚愕させられます。
例えば、バナナが1kg10元(≒250円)、マンゴー1.5kgが10元(≒250円)で買えるんです。日本ではあり得ない値段。自国で大量生産できるからこその価格。羨ましいです。
いろいろな品種が並んでいるのも良い点です。
マンゴーは「凯特(ケイト)」「金煌」「贵妃」「台农1号」という品種を買い、食べ比べましてみました。小ぶりな品種である「台农1号」が、濃厚かつ風味豊かで1番美味しかったです。
後日調べてわかったのですが、マンゴーの品種って500種類以上あるんですね。
500種類!そんなにあるとは…驚きました。マンゴーの世界も奥深いですね。
ちなみに、旅の途中、丸かじりできない/適さないフルーツを買ったときは、宿でナイフを借り、部屋でカットして食べています。
借りるときのテクニックとして、切りたいフルーツを手に持ちながら「Could you lend me a knife?」と感じよく言うのがコツです。でないと、良からぬことに使うのではないかと怪しまれ、貸してくれない可能性があります。
多種多様な農作物がよりどりみどり並ぶ雲南省。
なんと!蛍光色のフルーツも売ってました。その名も「金西梅」。
はじめスーパーボールだと思いましたが、よくみると楕円形だし、売っている人が試食を勧めてくる。
「これは何だ?食い物か?」と尋ねると「果物だ!」と言います。
これは本当に果物なのでしょうか。
結論からいうと、金西梅は間引きの際に摘まれた未熟な小さな桃です。
桃の摘果果。一応、果物といえます。
皮と種を取り除いた後、砂糖、甘味料(サッカリンナトリウムなど)、食用色素、防腐剤を加えて長時間漬け込みます。これにより、透き通った蛍光のような鮮やかな色に仕上がるというものです。カリカリ梅に近い存在でしょうか。
食べると非常に甘く、人工的な香料の味が強く感じられます。
上の写真のように、露店で売られているものは色素の使用量が管理されていない場合が多いらしく、中国の市場監督部門も消費者に慎重に購入するよう注意を呼びかけているそうです。さらに摘果果となると残留農薬も気になります。
また、販売者が「天然の希少果物」「輸入品」と嘘をついて高値で売るケースが多く、「観光地のインチキ商品」として知られているみたいです。
害悪でしかなくないか…。消えてなくなってしまえばいいのに…。
口が悪くなっているついでに、シャインマスカットについて。
日本で開発された品種が中国や韓国に不正流出。現地で大量生産され、多額の経済的損失を被った最たる事例ではないでしょうか。
パチモンの味はいかに。モノは試しということで「阳光玫瑰 」を1房(=750g)15元(375円)で購入しました。
見た目はシャインマスカット。食感もシャインマスカット。
ただ、シャインマスカット特有の芳醇な香りや深い甘みがかぎりなくゼロに近い。
だからか、食後の満足度が皆無でした。
鼻が詰まって味を感じない人や食べてる感だけを得たい人にはオススメです。
ちょっと調べると、現地メディアやSNSでも「味が薄い」「砂糖水のよう」と言われていて、過剰生産による品質の低下、栽培管理の未熟さが問題視されていました。安かろう悪かろうで、味はピンキリなようです。
場所はネパールに移動します。
思えば、ネパールと青森って意外と繋がりがありますよね。
りんごの生産や出荷現場、例えば、板柳町の市場や弘前市内の農協や園地などを見ていると、ネパール人が結構働いているんです。一定の専門性・技能を有する特定技能外国人として、青森のりんご産業を支えてくれています。
そんな馴染みのあるネパールでネパールのりんごを食べたい!
ということで、市場やスーパーをくまなく回りましたが、なんせ時期が悪い。
7月上旬のネパールには(私が探すかぎり)中国産しか見つけられませんでした。
低温貯蔵、CA貯蔵、ULO(超低酸素)貯蔵、1-MCP処理、DCA(動的CA)などを利用し、7月まで海外輸出を可能にする中国の技術力には改めて驚かされます。
ネパール産をいつ・どこでなら入手できるのか調べると、シーズンであっても簡単には入手できないだろうことがわかりました。
というのも、旬の時期には中国やインドから低価格なりんごが大量に流入してくる上、ネパールのりんごの主要産地がヒマラヤの麓であることから園地が小規模。生産効率が悪く、生産量は少ない。また、生産地から消費地である平野部までの道の大部分が未舗装で、輸送中に傷んでしまう問題を抱えているなど、いろいろな条件で不利。国産が外国産に勝てない構造になってしまっているようで、都市部のスーパー等で簡単に入手するのは難しいようです。
旅の途中、各国で地物のりんごを食べ、優雅に移動する予定だったのですが、りんごの収穫時期であるかという問題とグローバル経済による影響により、思ったようにいかないです…。
ネパールではりんごを食べずに、隣国のインドへ陸路で移動。
インド亜大陸を南下していきます。インドではどんな果物に出会えるのか楽しみです。
次回は、インドとスリランカ編をお送りします。お楽しみに。
1997年8月1日、神奈川県横浜市生まれ。
小学校の教員として働くなかで、地域おこし協力隊という仕事と美味しいリンゴにめぐりあい弘前にI ターン移住。
さまざまな品種を食べたり、副業として生産作業に従事したり、シードルアンバサダーを取得したりしてリンゴの魅力を多面的に味わっています。
「りんご大学」では、溢れんばかりのリンゴへの愛と好奇心を活かしてリンゴの情報を発信中。現在はキャリアブレイクとして世界漫遊の旅に出ているので、リンゴを主とした世界のフルーツ事情も発信しています。
【資格・免許など】
教員免許[小学校、中学校(社会)、高等学校(公民)(地理歴史)]、社会教育士、自然体験活動指導者、国内旅行業務取扱管理者、全国地域リーダ養成塾修了(37期)、世界遺産検定1級
