りんごで自家製薬膳酒を楽しみませんか?

生の「梅」が店頭に並ぶシーズン。自家製梅酒を仕込む方もいらっしゃることでしょう。梅と同じように、「りんご」も果実酒にして、おいしくいただけるのをご存知でしょうか。

つくり方は梅酒と同様です。清潔なガラス瓶に洗浄してカットしたりんごを入れ、氷砂糖とホワイトリカーを加えるだけ。しばらく冷暗所で保存してりんごのエキスが抽出されるのを待ちます。

りんごの配合比率を増やすと薬膳酒としての効果も期待できます。おなかの調子を整えるほか、筋肉疲労、肌荒れ、肌の乾燥、クマやシミが気になる方にもおすすめです。

りんごの薬膳酒レシピ
【材 料】
りんご            1個(約180g)
レモン            1/4個
氷砂糖            40g
果実酒用ホワイトリカー    200ml
【作り方】
①りんごを洗って水気を拭き、5ミリ厚さ程度にスライスする。レモンは皮をむいてからスライスする。
②清潔なガラス瓶に①と氷砂糖を入れて、ホワイトリカーを注いで密閉する。
③2ヶ月ほど冷暗所に置いた後、ロックやソーダ割りでいただく。

【注意】
ご自宅で果実酒を仕込む際は酒税法に違反しないようご注意ください。漬け込む際のお酒は、高濃度(アルコール度数20%以上)かつ酒税を納付済みのものを選びましょう。「果実酒用」と記載のあるものを選ぶと安心です。
(参考:国税庁 お酒についてのQ&A https://www.nta.go.jp/taxes/sake/qa/01.htm

2ヶ月も待てない!という方には、ワインにフルーツを加えて楽しむサングリアもおすすめです。りんごをたっぷりつかい、一緒にいただくことで薬膳的な働きも享受できます。お好みのワインにカットしたりんごや柑橘類などを加え、冷蔵庫で1~2時間程度置いたら飲み頃です。お好みで、はちみつなどをプラスしてもOKです。冷えが気になる方は、シナモンなどのスパイスを加えて温め、ホットワインで楽しんでもいいでしょう。

【薬膳解説】
りんごの薬膳酒レシピの「氷砂糖」は、他の甘味類に変更も可能です。例えば、冷えが気になる方は、氷砂糖を黒糖に変えたり、さらにスパイスを加えたりしてもいいでしょう。薬膳酒に利用する食材について、薬膳的な働きをいくつかご紹介しますので、ご自身の体質や体調に合わせ、オリジナルのMY薬膳酒を楽しんでみませんか?

甘味類 ・氷砂糖・グラニュー糖:平性。乾燥や疲労が気になる時に。
・白砂糖:涼性。から咳が気になる時や二日酔いに。
・きび砂糖:平性。乾燥が気になる時、カッカしている時に。
・黒砂糖:温性。冷えによる月経痛や疲労回復に。
・はちみつ:平性。虚弱体質、便秘、乾燥などが気になる時に。
りんご 平性。消化器系を健康に保ち、からだを潤すとされる食材。
おなかの調子が悪い時やから咳などが気になる時に。
レモン 平性。熱を冷まし、からだを潤すとされる食材。
暑気あたり、疲労回復、食欲不振などに。
オレンジ・ネーブル 涼性。ストレスによる不調を癒すとされる食材。
ストレスによる吐き気やお腹のはり、気分が晴れない時に。
陳皮
(みかんの皮を1年以上乾燥させたもの)
温性。ストレスによる不調を癒すとされる食材。
ストレスによるお腹のはりや消化不良などが気になる時に。
シナモン 熱性。からだを温める働きが強いとされる食材。
からだの末端の冷えや、冷えによる痛みが気になる時に。
ホワイトリカー(焼酎) 熱性。血の巡りをサポートするとされる食材。
からだの冷えやストレスによる不調が気になる時に。
ワイン 温性。ストレスによる不調を癒すとされる食材。
ストレスによるお腹のはり、不眠などが気になる時に。

(参考文献:薬膳食典 食物性味表)

2023/6/9

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