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Vol.15 --- タルト・オ・ポム in Paris

 タルト・オ・ポム(リンゴのタルト)は、フランス人が一番好きなデザートだそうだ。サブレ生地やフイタージュ生地にリンゴを乗せて焼く、ごくシンプルなお菓子。シンプルなだけに、素材力がモノを言うので、リンゴのセレクトはもちろんのこと、生地に使う粉やバターにもこだわりたい。
 町中にあるパン屋さんやお菓子屋さんでは定番中の定番お菓子で、タルト・オ・ポムがない店を探す方が難しいが、美味しさのレベルは実に様々。
 日刊紙「ル・フィガロ」が数年前に行った“パリ最高のタルト・オ・ポムコンクール”で上位に入った店の商品を紹介しよう。審査内容は、見た目(タルトの形、リンゴの色、生地の色)、食感、生地の味、リンゴその他の味、コストパフォーマンス、の5項目からなっている。

ショーケース

 コンクール1位の店は残念ながら閉店しているが、2位は、「ラウール・メデー」。アルザス出身のパティシエの名門パン屋さんで、リンゴ菓子は、タルト以外に、アルザス地方の銘菓ストルーゼル・オ・ポム(クランブルを使ったリンゴタルト)も作っている。
 大人の手のひらほどもある、アルザスらしいおおぶりのタルト。クロワッサンのようなフイタージュ生地に、リンゴのコンポートを薄く塗り、スライスしたリンゴを重ねて焼いてある。サクッとした食感を絶妙に残したリンゴは香り高くフレッシュ感満載。甘酸っぱいコンポートがジューシーさとまろやかを加え、サクサクの生地とスライスしたリンゴを上手につなげている。

タルト・オ・ポム

 3位は、フランスを代表する田舎パンの名店「ポワラーヌ」。直径30㎝ほどもある巨大な田舎パンを焼き終わった後の石窯の余熱を使って焼くタルトは、ザクザクと大きめにカットしたリンゴを薄いフイタージュ生地で包み込むようにした形。厚みのあるリンゴは、外側はちょっと焦げてカリッと、内側はとろけるようなジューシーさ。リンゴの上にかかった砂糖がキャラメル化してカリカリと香ばしいアクセントになっている。

タルト・オ・ポム

 タルト・オ・ポムに人気のリンゴの種類は、ゴールデン。爽やかな酸味がタルトの甘みにいい、と青リンゴのグラニー・スミスも名前が上がる。ガラ、フジもよく利用される。
 そして今日も、フランスのあらゆるところで、多くのタルト・オ・ポムが食べられていることだろう。

(2015/12/26)

加納 雪乃
Yukino Kano

神奈川県出身 パリ在住。
専門はフランスの食文化、バレエ。
サラリーマン時代に、95~97年、パリ事務所の駐在員として初めてフランスに滞在。 フランスの食文化の魅力に感動し、その魅力を広く伝えたいと思うようになり、帰国後しばらくしてから退社。 改めて自分で渡仏し、2000年からライターとして活躍している。
著書:「パリオペラ座バレエと街歩き」「パリ スウィーツの話」(ともに集英社 be文庫にて発売中)

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