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農薬についてのQ&A

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トレーサビリティって何?
農薬は本当に安全なの?
農薬の飛散ってどういう状態? 飛散したらダメなの?
ネガティブリスト制とポジティブリスト制って何?
農薬にはどのような種類があるの?
肥料も農薬なの? 何のために農薬は使うの?
農薬を使わないとりんごは作れないの?

トレーサビリティって何?

トレーサビリティとは、trace(トレース)とability(アビリティ)を組み合わせた言葉で、追跡可能性という意味があります。食品のトレーサビリティとは、食品の生産方法や流通経路を確認できるようにすることです。「どこの原材料なのか」「誰によって、どこでどのようにつくられたのか」「どのようなやりとりで販売されたのか」といった情報を知ることができます。

●トレーサビリティのメリットには

(1)食品の安全性に関する問題(食中毒、偽装表示等)が起こった場合、問題となった食品の追跡・回収や、何故問題が起こったかという原因の究明が容易にできる。

(2)「農場から食卓まで」の過程を明らかにすることで、スーパーなどで消費者は食品の安全性や品質、表示を信頼し安心して食品を購入できるという点があります。

農薬は本当に安全なの?

農薬は、登録に際して毒性評価を行い、人畜などへの害がない量的な範囲を作物残留などの基準として定め、この基準を超えないように使用方法が決められています。これにより、使用方法を遵守し、安全が確保された作物しか販売することはできません。よって消費者の皆様の元へ届くりんごは安全ですので、安心してお召し上がりください。

●農薬の表示例

農薬には必ず下の表のような、使用に関する基準がラベル等に表示されています。

例)○○水和剤

作物名 りんご
適用病害虫名 モモシンクイガ
キンモンホソガ
アブラムシ類
希釈倍数 1000倍
使用時期 収穫7日前まで
本剤の使用回数 3回以内
使用方法 散布
△△を含む農薬の総使用回数 3回以内

その農薬を使用できる作物、使用目的(適用病害虫等)等、農薬取締法により定められた使用基準が記されています。この表に書かれたとおり使用すれば薬剤散布の効果が期待でき、残留等の問題は発生しないので、使用目的、方法を必ず守らなければなりません。

  • 作物名:ここに表示されている作物以外には使えません。
  • 適用病害虫名:ここに表示されている病害虫の防除に使います。
  • 希釈倍数:表示されている倍数に水で薄めて使います。
  • 使用時期:農薬が使用できる時期を表しています。(この例では収穫する7日前まで使用できます)
  • 本剤の使用回数:栽培期間中に使用できる回数です。
  • △△の有効成分を含む総使用回数:栽培期間中に同じ有効成分が含まれる農薬を使用できる最大限の回数のことです。

農薬の飛散ってどういう状態? 飛散したらダメなの?

飛散(ドリフト)とは、農薬散布時に目的以外の作物に農薬が飛び散ってしまうことです。
飛散の要因としては、「風が強い」「散布量が多い」「防除機械の圧力が強い」などがあります。
収穫間近の農地に飛散すれば、作物に付着し、残留農薬として問題になる可能性があります。その農地が他人のものであった場合は、自分の不注意から多大な迷惑をかけることになります。また、近くに住宅地があれば住民への健康被害が心配されます。
飛散を防ぐためには、「風向きに気を付けて、風が弱い日に散布する」「散布量が多くなりすぎないようにする」「散布圧力を上げすぎない」「まわりの作物をシートやネットで覆う」「生産者、住民、病院等の関係者に散布することを伝える」などして、飛散防止を徹底しなければなりません。

ネガティブリスト制とポジティブリスト制って何?

2006年5月29日、食品の残留農薬基準がネガティブリスト制からポジティブリスト制に移行しました。
ネガティブリスト制では、原則として規制が無い中、「残留してはならないもの」をリストにしています。リスト内のもので基準値以上の残留農薬が検出された場合、その農産物の流通が規制されます。
ポジティブリスト制では、原則として全てを禁止する中で、「認めるもの」をリストにしています。基準値以上の農薬が検出された場合、その農産物の流通は規制されますが、ネガティブリスト制と違うのは、全ての組み合わせ(品目×農薬)で基準値が設定されていることです。
これまでは、残留基準が定められてない農薬は残留が検出されても基本的に規制対象外となり流通することが出来きました。この改正によって、そのような場合でも暫定基準や一律基準によって規制対象となり、より安全な食品の流通を期待できるようになりました。

農薬にはどのような種類があるの?

農薬は用途によって次のように分類されます。

殺虫剤 農作物を加害する害虫を防除する薬剤
殺菌剤 農作物を加害する病気を防除する薬剤
殺虫・殺菌剤 農作物の害虫、病気を同時に防除する薬剤
除草剤 雑草を防除する薬剤
殺鼠(そ)剤 農作物を加害する野ネズミなどを防除する薬剤
植物成長調整剤 農作物の生育を促進・抑制する薬剤
誘引(ゆういん)剤 主として害虫をにおいなどでおびき寄せる薬剤
忌避(きひ)剤 農作物を加害する哺乳動物や鳥類が近寄らないようにする薬剤
展着(てんちゃく)剤 他の農薬と混ぜて使い、その農薬の付着性を高める薬剤
微生物剤 微生物を使って害虫・病気等を防除する薬剤

肥料も農薬なの? 何のために農薬は使うの?

農薬は、農作物の「虫害や病気の予防」「防虫・防草」「生理機能の増進・抑制」等の役割で使われます。 人間では予防注射、防虫スプレー、風邪薬等の薬に例えられます。
肥料は、農作物を生育させるための栄養分を補うものです。
農作物は、土壌から栄養分を吸って生育するものなので、減少した分の栄養を土壌に補給しなければ、農業を続けていくことは不可能になります。
人間も農作物と同じで、栄養を補給しなければ育ちませんし、やがて死んでしまいます。肥料は人間では食事に例えられます。
薬と食事は別物ですので、肥料は農薬ではありません。

農薬を使わないとりんごは作れないの?

農薬を使用しないでりんごを栽培できたら、消費者にとっても生産者にとっても良いことです。しかし農薬を使わなければ、りんごの樹は病気にかかったり、葉は害虫に食べられるなどの被害を受け、樹が枯れてしまいます。
りんごの果実にも病気がついたり、害虫が入ったりし、食べられなくなります。また、農薬を使用しないでりんごを栽培した場合、売り物になるものは3%程度になることがわかっています。
りんご栽培には農薬は不可欠であると言えるでしょう。