りんごは収穫した後も呼吸をし、水分を発散しています。長く保存していると果肉成分を消耗し、水分が抜けてしまい、やわらかく食味が悪くなってしまいます。また、りんごは低温多湿で保存すると長持ちしますが、冷蔵庫の中は乾燥しています。
りんごの生理作用を抑え水分の蒸発を防ぐためポリ袋(0.03~0.05ミリの薄めのもの)を使う。ビニール袋では酸素が通らず、りんごが窒息して傷んでしまうため。
冷蔵庫に入りきらない場合は、温度変化が少ない、日の当たらない涼しい場所に置いておきます。
長期間保存する場合は、りんごを新聞紙に包んでからポリ袋に入れます。
これは、りんごの呼吸で出てくる炭酸ガスや水滴を新聞紙に吸収させるためです。
りんごを切ってそのままにしておくと、茶色っぽく変色します。これは、りんごの中のポリフェノール物質(エピカテキンなど)が酸化することで起こるものです。変色を防ぐには、原因となる「酸化酵素※」の働きを抑えなければなりません。
そのためには塩水やレモン水、ビタミンC液を使います。それらに浸けることで、Naイオンがエピカテキンの周辺に壁を作り、酸化酵素の働きを抑えることができます。塩水やレモン水は、りんごの味を損ねないよう薄めのものを使いましょう。
※酸化酵素-オキシダーゼ。酸化反応を促進する酵素のこと。