HOME - 学ぶ - りんごと気象~りんごの気象災害についてご紹介~
りんごと台風
りんごは風に弱い作物です。りんごの実と枝を結んでいるのは、細いツルの部分です。りんごに強い風があたると、りんご同士がぶつかったり枝にすれることで傷つきます。また、突風や長時間の風で、ツルと枝が離れて落果してしまいます。
りんご台風と言われる1991年(平成3年)の台風19号では最大瞬間風速53.9m/sの猛烈な風が吹いたために、収穫前の多くのりんごの落下や、りんごの倒木・枝折れという被害を受けました。収穫前のりんごの被害は勿論ですが、倒木や枝折れ等によって農園の再生がままならないため、収穫量の回復に時間がかかり、長期的にも大きな被害を受けました。
被害面積は2万2400ヘクタール、被害数量は約38万トン、被害金額は約741億円でした。
りんご台風が青森県に接近したのは9月27日夜から28日朝にかけての一晩ですので、りんごにとっての台風の脅威を思い知らされます。
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りんごと霜(しも)
霜とは、物体(植物の葉、地面、建物の窓など)の表面が冷やされることで、空気中の水蒸気が固体化し、氷の結晶となって付着したものです。
りんごの芽は、芽がふくらみ発芽し葉が開く頃になると、寒さに対する抵抗力が弱くなります。霜によって、めしべは凍って死んでしまうため、花粉が運ばれてきても結実されません。また、葉はしなびて縮んだり、黄色くなったりします。すると、りんごの栄養を作る働きが悪くなってしまい、実が小さくなったり品質が悪くなったりします。
りんごの霜害は4~5月の春に発生します。霜は通常11月くらいから発生しやすくなりますが、遅れてやってきた霜という意味で、遅霜(おそじも)、晩霜(ばんそう)といわれます。
また、実になってから霜害にかかることもあります。「サビ」といって、果面に写真のようなザラザラした模様が発生し、見た目が悪くなります。