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黄色りんご特集 "トキ"誕生物語

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この10年で生産量が急激に増加し、今や早生系ふじと並んで10月の黄色品種の代表格となった「トキ」。「トキ」には、育成者であります故・土岐傳四郎さん(以下土岐さん)のりんご産業に対する並々ならぬ“思い”が詰まっています。今回は、青森県のりんご産業が始まって以来『これほど急増した品種はないのではないか?』と言われている、期待の黄色りんご「トキ」の誕生についてお送りいたします。

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【登録番号】  第12306号

【登録年月日】 2004年11月8日

【品種登録者】 有限会社原田種苗

【品種育成者】 土岐傳四郎

 

  

 

「青森県そして日本のりんご産業に貢献できる品種を作りたい」

育成者である土岐さんはそう思い続け、40年間りんごの種を蒔き続け品種改良を行ってきました。品種の育成と一口に言っても、1品種を育成するためには10年以上の月日がかかります。さらに品種登録されるまでの期間は、伸びていく品種かどうかわからないりんごのために肥料を蒔き農薬をかけ、利益が得られないのにもかかわらず経費はかさんでいきます。つまり、りんごの育種には膨大な時間と経費を要するのです。

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そのような状況下でも、“りんご産業に貢献できる品種を作りたい”という一心から、土岐さんはりんごの品種開発に力を注ぎました。特に「トキ」は、1985年から育成が始まり、様々な試験や特性調査を経て登録出願する2001年まで、実に16年もの歳月を費やしました。

そして誕生した「トキ」。最初は果実が小さく、大玉が好まれる日本では商品として世の中に出すことはできませんでした。しかし、糖度が高く、香りがよく、シャキシャキ感があり食味が良好であるため、土岐さんは接ぎ木を繰り返すなど研究に研究を重ね、小さかった「トキ」を大玉に成長させることに成功し、2001年に登録出願しました。

すると翌年の2002年頃から、食味の良さに加えこれまで10月に有望な黄色品種がなかったなどの理由により、産地市場での評価が急速に高まり始めました。2008年には約700トンだった「トキ」の生産量は、5年後の現在、約3倍の2,000トンを超える勢いで急増しています。

こうして「トキ」は、瞬く間に10月の黄色品種の基幹品種になりました。育成者の土岐さんはこの功績が認められ、青森県りんご協会より青森県りんご産業の功労者に贈られる「木村甚彌賞」(2010年度)を受賞しました。

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土岐さんのりんごへの思いは「トキ」という形になりました、そしてその思いはきっと、「トキ」を通じてこれからもたくさんの人々に広がり続けることでしょう。

 

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