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りんごの最高傑作"ふじ"

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日本国内にとどまらず中国やアメリカなど海外でも作られ、現在海外で最も生産量の多い世界的品種となった「ふじ」。日本では今や、『りんごといえば「ふじ」』と言われるほどメジャーな品種となりました。

 

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「ふじ」は、青森県南津軽郡藤崎町の農林省園芸試験場(現在は岩手県盛岡市に移転)で生まれました。1939(昭和14年)に「国光」と「デリシャス」を交配し育成され、1962 (昭和37) 年に「ふじ(りんご農林1号)」として登録されました。名前の由来については、「日本を代表する『富士山』にあやかって」「誕生した場所である『藤崎町』の町名にちなんで」「初代ミス日本の『山本富士子』の名前をもらって」など諸説あります。1982(昭和57)年に、それまで一位だったデリシャス系の品種を抜いてからはトップの座を譲らず、現在も他の追随を許さぬ一番人気で、まさにキング・オブ・アップルといっても過言ではありません。

 

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甘さと酸味のバランスが非常に良く、とてもいい香りがします。そして果汁が豊富で歯応えが心地よく、万人に好まれる要素を最も兼ね備えているりんごです。「ふじ」の普及当初は、色付きを良くするために果実に袋をかぶせる有袋栽培が行われていましたが、袋をかぶせない無袋栽培でも綺麗に色づくように技術改良が進められてきました。味そのものは、日光をたっぷり浴びて育つ無袋の方が甘味が強いりんごになります。袋を使用しないで栽培されたふじは『サンふじ』として販売されています。また、貯蔵性が高いのも特徴の一つで、美味しい状態で長期間味わうことができます。

 

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 さらにりんごファンを喜ばせているのが、「ふじ」には蜜入りのものが多いということ。りんごの蜜の正体は、ソルビトールという糖アルコールの一種で、光合成によって葉で作られたのち、果糖・ショ糖・ブドウ糖などの糖に変換されて果実の細胞に蓄えられます。完熟期になると細胞内が糖でいっぱいになっているため、ソルビトールは細胞の中に入れなくなります。そこで、ソルビトールは細胞と細胞のすきまにたまるようになり、水分を引き寄せます。これが蜜になるのです。つまり蜜は、「このりんごには糖が余って甘く完熟している」という目印なのです。 

 

いよいよ訪れた「ふじ」の旬。春先まで美味しくいただけるとはいえ、何といってももぎたてが格別です。ひっくり返して黄色く色づいているのが美味しいりんごと言われています。世界に誇るりんごの王様「ふじ」を、どうぞ今年もご堪能下さい。

 

 

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