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わい化栽培 ~コンパクトな樹で多収、効率化を目指す~

台木はわい性台木 ※1 を使用した、コンパクトな樹形で多くの本数を植える栽培様式です。日本国内では気候に合うよう、わい性中間台 ※2 を使用した苗木が普及しています。面積10aあたり100~125本植え(樹間2m、列間4m)が基本的ですが、樹形の仕立て方等でさらに細かく分類されます。

欧米のリンゴ生産諸国が面積当たりの収量増加、作業効率向上を目標に広く普及を進めました。実際に成果は現れましたが、日本国内では海外に比べ大幅に普及が遅れ、さらに県により普及率が異なる現状です。海外と国内の自然環境や苗木生産体制の違い ※3 が原因と考えられます。また、わい化栽培で成果を上げる一方で課題点も確認されています。

《語句の説明》
※1:わい性台木  …… 代表的なものに、M9、M26、JM7。
※2:わい性中間台 …… マルバ付とも呼ばれる。根の部分がマルバカイドウ、その上にわい性台木、穂木と組み合わせてつくられる。マルバカイドウの特性も付加され環境適応力は高まるが、わい性度合は低くなる。
※3:苗木生産体制の違い …… 多くの苗木が必要となることから、海外では大規模な生産体制がつくられた。

メリット
  • 面積当たりの収穫量は疎植栽培以上。
  • 収穫始めが早く、成園化し安定収量を上げるまでの時間が普通(丸葉)栽培より短縮される。
  • 作業効率が向上、樹冠内に光が入り易く着色管理もしやすい。
デメリット
  • 面積当りに植える苗木本数が多い=コスト高
  • 樹を支えるための支柱が必要。
  • 自然災害による被害を受けやすい。
  • 定植20年以降の管理が難しく、高度な剪定技術を要する。(樹の大型化や樹形管理困難による間伐、果実品質の低下等、経済寿命20~25年程度)
  • ネズミによる苗木、若木の食害 ※4 にあいやすい。

《語句の説明》
※4:食害 …… 根や地際の部分が食べられ、樹が育成不良となる。ひどい場合は栽培不可能となる。