美味しいトキを届けるために。トキの“早もぎ”について、一緒に考えてみませんか?

投稿者: | 2026年9月12日

秋風が吹き始めると、店頭にきれいな黄色の「トキ」が並び始めますよね。

「王林」と「ふじ」から生まれたトキは、9月下旬から10月上旬にかけて旬を迎えるりんごです。ジューシーな果汁と豊かな香り、そして爽やかな甘みがたまらない人気者!

……なのですが、実はこのトキには、長年抱えている「早もぎ(時期尚早の収穫)」という悩みがあります。

今回は、「なぜ早もぎが問題になるのか」、そして「これからも美味しい青森りんごを届けるために私たちが大切にしたいこと」について、少し立ち止まって考えてみたいと思います。

どうして「早もぎ」が起きちゃうの?

トキは海外でも大人気で、特に台湾などの中華圏では「中秋節(旧暦のお月見イベント)」のギフトとして需要が急上昇します。

ですが、中秋節の時期はトキ本来の収穫期(9月下旬〜)より少し早いことがほとんど。

「この需要期を逃したくない!」
「早い時期に出せば、高値で買ってもらえるかも!」

そんな想いから、まだしっかり熟す前のトキを収穫して出荷してしまう「早もぎ」が起きることがあるのです。

生産者さんにとって「高値で売れるチャンスを逃したくない」と思う気持ちは、とても自然なもの。ですが過去には、早もぎによる食味不足で市場の評価を落としてしまったこともありました。

つまり、ただ「ちょっと収穫が早い」だけではなく、「青森のトキは美味しい!」というブランドの信頼そのものが揺らいでしまう大問題なんです。

適期収穫された「トキ」

本当に届けたいのは「美味しいりんご」のはず

ここで一度、問いかけてみたいことがあります。

「イベントに間に合わせること」と「美味しいりんごを届けること」。
本当に優先したいのは、どちらでしょうか?

買い手であるお客さまが求めているのは、「イベントに間に合ったトキ」ではなく、「青森から届いた、びっくりの美味しさのりんご」ですよね。

もし、せっかく買ったトキが甘みも香りもいまいちだったら……。

「やっぱり青森のりんごは最高!」ではなく、「あれ、青森のりんごってこんなものなのかな……?」と、がっかりさせてしまうかもしれません。

早もぎは「味」以外にもリスクが…

実は、早く穫りすぎると味がのらないだけでなく、「ビターピット」という生理障害の病気が出やすくなってしまうリスクも。

一つひとつのりんごの品質が、産地全体のイメージに直結しているんですね。

一時的な高値をとるか、これから何年も続いていく「青森りんご」の信頼をとるか。

りんごは1年で終わりではありません。今年食べた人が「感動するほど美味しい!」と思ってくれたら、来年もその先もずっと青森りんごを選んでくれるはずです。

美味しさを守るカギは「すぐりもぎ」

トキは一斉に熟すわけではないので、木全体のりんごを一度に収穫するのではなく、熟したものから順番に収穫する「すぐりもぎ」がとっても大切になります。

青森県でも、3回ほどに分けて「すぐりもぎ」を行うことや、収穫時期を客観的に見極める「カラーチャート」の活用を呼びかけています。

「全部を早く収穫する」のではなく、「熟したものから順番に」。

黄色く色づき、甘みも乗り、食べごろを迎えた果実から少しずつ届ける。これがトキの美味しさと信頼を守る一番の近道です。

宮下宗一郎青森県知事が訴える【「トキ」の早もぎ防止に向けたお知らせ!】
青森県農林水産部公式Instagram(外部リンク)

「中秋節に間に合うこと」よりも「品質」を

中秋節は、青森りんごの魅力を世界に知ってもらう絶好のチャンスです。

だからこそ「イベントに間に合わせる」ことだけにとらわれず、「食べた人が笑顔になる美味しさ」を届ける機会にしたいですよね。

目の前の価格だけでなく、5年後も10年後も「やっぱり青森のりんごが一番!」と選んでもらえる未来のために。

カラーチャートでしっかり見極めて、熟した分だけ「すぐりもぎ」。

私たちは、そんな「美味しい選択」をこれからも大切にしていきたいですね。

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