りんごの大敵、害虫。駆除するには薬剤を散布するのが主流ですが、その他にも害虫を減らす工夫の一つとして「交信撹乱剤」があります。交信撹乱剤とは、害虫のオスとメスが出会うのを防ぎ、次世代の発生を抑制する働きがあります。
≪交信撹乱剤≫
害虫のメスは、産卵時期に性フェロモンを放出してオスを誘引します。そこで、人工的に作り出された性フェロモンを 園地に仕掛け、園地一体をメスのフェロモンで充満させることによって、オスはメスを見つけ出しにくくなります。つまり、オスとメスが出会うのを妨害して交尾させないようにして産卵を防ぎ、次世代の発生を抑制する働きをするのが交信撹乱剤なのです。
交信撹乱剤は特定の害虫にのみ効果を発揮するので、害虫の天敵・益虫に対する影響が非常に少ないのも特徴です。また、交信撹乱剤によって害虫の数を減らすことで、薬剤散布の回数削減も期待できます。
りんごの樹一本一本に手作業で取り付ける手間やコストがかかるなどといったこともあり、すべてのりんご生産者が取り組んでいるわけではありませんが、りんご関係団体は、害虫被害を少しでも減少させ、安心安全な青森りんごの確立に力を注ぐため普及に取り組んでいます。
薬剤散布だけでなく、こういった害虫対策の方法もあるんですね。
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