文字絵りんごを制作しているのは弘前市下湯口の岩崎農園で、園主の岩崎智里さんはお父様の後を継いで文字絵りんごの制作をしています。
先日、青森県弘前市の青果市場において毎年恒例の創作文字絵りんご研究発表会が開催され、競売が行われました。
芸術的な文字絵りんごの数々が出品され、今年も高値で取引されました。
これらの素晴らしい文字絵りんごがどのように作られるのか。
今回りんご大学では、文字絵りんごの制作過程を密着取材させていただきました。
文字絵りんごは袋を掛けて栽培する有袋栽培のりんごを使用します。りんごに袋をかけて日光を遮断し、ある程度大きくなってから袋をはぎ日光をあてることで、一気に赤くなる成分(アントシアニン)が出てきて赤くなるのです。シールなどで光を遮断した部分は赤くならず、文字や絵が浮かび上がるという仕組みです。
りんごの着色については、こちら
文字絵りんごは通常のりんご栽培と同じですが、袋はぎの後にシールを貼り、収穫後にシールをはいで箱詰めするという工程が追加されます。きれいに着色させるために「葉取り」「玉まわし」「シルバーシート敷き」は欠かせません。
文字絵りんごに使われるのは主に大玉系品種の「陸奥(むつ)」や「スタークジャンボ」で縁起物の絵柄や干支、クリスマス向けなど様々な文字絵りんごを制作しています。
陸奥はもともと黄色い品種なので赤く着色させるためには、遮光度の高い3重袋を使用します。
まずは陸奥に掛けていた3重袋のうち外側の2枚の袋をはぎます。
外袋をはいで4~5日後に中袋をはぎ、その後すぐにシールを貼っていきます。
使用するシールは車や看板などにも使われるカッティングシートです。
貼った後もりんごは成長しますが、伸縮性があるためはがれずにきれいな輪郭になるそうです。
「寿」などの簡単なものはシールを貼るのも数秒ですが、線が細かい図柄などは慎重にピンセットなども使いシールを貼っていました。りんごの表面は平らではないので、どうしてもシールがゆがんだりしますが、余ったところはハサミで切り込みを入れピッタリと貼りつけていました。
こちらは「スタークジャンボ」です。大きくて有名なりんご「世界一」よりもさらに大きく、大きいものでは1,000g以上もの重さになります。「ふじ」の重さが300~400g程度なので、およそ3倍はある大きなりんごです。
とても大きく重いため、万が一落果するようなことになると、他の果実にも影響を及ぼし落果することもあるので、影響を及ぼしそうな果実にはネットを被せて枝に固定し落果させないようにしているそうです。
大きさを利用して絵柄も大きく複雑なものができますね。中にはりんごを全面利用して十二支の絵柄にしているものもありました。
[おまけ]
今回りんご大学ロゴのシールを作成し、「陸奥」に貼らせていただきました♪
どのように色づいていくのか楽しみです。
次回、作業編その②【着色】では、着色経過などをお伝えしたいと思います。
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