進化を続ける生誕80周年の「ふじ」

投稿者: | 2020年11月13日

ふじ」は誰もが知るりんごで、世界で一番生産されている品種です。
今年は「ふじ」の生誕80周年になりますが、ここまで愛されてきたのには、実は進化を続けているからなのです。

「ふじ」は、青森県南津軽郡藤崎町の農林省園芸試験場(現在は岩手県盛岡市に移転)で生まれました。1939(昭和14年)に「国光」と「デリシャス」を交配し育成され、1962 (昭和37) 年に「ふじ(りんご農林1号)」として登録されました。

1982(昭和57)年に、それまで一位だったデリシャス系の品種を抜いてからはトップの座を譲らず、現在も他の追随を許さぬ一番人気で、まさにキング・オブ・アップルといっても過言ではありません。

「ふじ」は甘さと酸味のバランスがとても良く、いい香りがします。そして豊富な果汁で歯応えも心地よい。しかし、普及当初は色づきがよくないという欠点がありました。

着色不良は袋をかけることで改善され、普及当初は有袋栽培が主流でしたが、袋をかけるという手間がかかるため、袋をかけなくても色づきのよいものを求め、改良されていったのです。

同じ1本の樹でも色づきの良い枝を選抜し、その枝を接ぎ木して育て、着色しやすい「着色系ふじ」がたくさん生まれました。

そうして生まれたのが「宮美ふじ」「コスモふじ」「こまちふじ」「みしまふじ」「長ふ6号」「紅ふじ」、他にも「うまじろう」「紅虎」などもあります。

なんだかたくさんの品種名が出てきましたが、これらは全て「ふじ」なんです。

スーパーなど販売店では袋をかけて栽培する「ふじ」(有袋)か、袋をかけないで栽培する「サンふじ」(無袋)の区別だけかと思いますが、実は進化した「着色系ふじ」なのです。

有袋りんごと無袋りんごについては、こちら

味も見た目もよい高品質なりんごを作るために、研究者や生産者が改良を重ねた結果、「ふじ」は長年にわたり愛され、世界シェアNo.1の品種となったのですね。

また、もともと貯蔵性に優れているのですが、有袋栽培にすることでさらに貯蔵性がよくなり、青森県の貯蔵技術の向上とともに、今では1年中食べられるようになりました。

これからも進化が続く「ふじ」、今年の仕上がりも上々のようです。
ぜひたくさん食べてくださいね♪

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