「早生ふじ」って聞いたことがありませんか?
「早生系ふじ」とも呼ばれ、今が旬のりんごで、ふじとついているだけあって「ふじ」によく似た味のりんごです。
でも、「早生ふじ」は品種名ではありません。
植物にはしばしば、紫外線などの影響で細胞に特別変異が起こり、一本の枝や茎だけに元とは異なる形質があらわれるという、枝変わり(えだがわり)という現象が生じます。そしてりんごの品種の中にも、この枝変わりによって誕生したものがいくつか存在し、「早生系ふじ」はその中に含まれます。りんごの枝変わりには早熟系や着色系などがありますが、「早生ふじ・早生系ふじ」は「ふじ」よりも早く成熟します。つまり「早生ふじ」は「ふじ」のいわゆる早熟系枝変わりの品種の総称なのです。
枝変わりについて詳しくは、こちら
では、「早生ふじ」の仲間をご紹介しましょう。
この他にも「紅将軍(べにしょうぐん)」「やたか」などがあります。
「早生ふじ」とひとくくりに言ってしまうとレアな感じはしませんが、「昂林」や「ほのか」というとレアな感じがしてきませんか。
実際のところ、「ひろさきふじ」は「早生ふじ」の中では最も生産量が多いので聞いたことがある方も多いと思いますが、その他の「早生ふじ」は生産量がそんなに多くもないので、レア品種と言ってもいいと思います。
ただし、お店によっては品種名で表示しているところもあれば、「早生ふじ」として売っているところもありますので、「早生ふじ」として購入したりんごが、「ひろさきふじ」なのか「ほのか」なのかわからない場合もあります。
「ふじ」の枝変わりなので、味はどれも「ふじ」によく似ていて、とっても美味しいので、ぜひ食べてみてくださいね。
最後に、「早生ふじ」の中でもレア中のレア品種をご紹介します。
「黄輝(こうき)」
これは「ふじ」の枝変わりではなく、「ひろさきふじ」の枝変わりで、「ふじ」なのに珍しい黄色い品種です。
果肉はやや柔らかめで、まずは甘味を強く感じ、次にほのかに酸味を感じます。
弘果弘前中央青果が「つがりあんアップル」として専用利用権を設定している7品種のうちの一つで、契約栽培のため生産量が少ないレア品種なのです。
「黄輝」の販売は通信販売でも終了しているかもしれませんが、その他の「早生ふじ」はまだまだ購入可能ですので、ぜひたくさん食べてくださいね。


